■医者が「加湿器には水道水を使って」と言う理由
具体的に、衛生面で気をつけることは。
「フィルターは必ず常に清潔に。タンクについても水は毎日交換し、定期的に洗うことが大切です。水のあるところはカビや菌の温床ということを肝に銘じましょう」(前出の久住医師)
なお、加湿器に入れる水についても久住医師は注意を呼びかける。
「タンクに浄水を入れる人がいますが、浄水は塩素を抜いているので、水が腐りやすい状態になっています。塩素で殺菌処理されている水道水を入れるのが正解です。同様の理由でミネラルウォーターも適しません。また、加湿器の新しさは関係ありません。今年買った加湿器でもすぐに汚染されるし、カビや菌はすぐ増殖しますから、加湿器肺炎になるリスクは十分あるということです」(前同)
良かれと思って加湿器を使っても、カビや菌を撒き散らしていただけとなれば本末転倒。清掃・メンテナンスには十分注意を払いたい。
久住英二
内科医・血液専門医。
1999年新潟大学医学部卒業。虎の門病院で内科研修の後、血液科医員に。2008年ナビタスクリニック立川開業し、現在に至る。血液内科医であり、さまざまな感染症の臨床経験が豊富。日々の外来診療で鍛えられた「分かりやすく解説する力」を活かして様々なメディアで執筆や解説をおこなっている。