■ホストは客をSNSで一本釣り
1000万円を超す売掛金があるという19歳の女性客が「ホストクラブに通い始めたきっかけは、1通のDMでした」と自身の体験を語る。DMとは、SNS上で利用者同士がやり取りするのに使われる伝達手段だ。
「母子家庭ということもあり、家庭環境に悩んでいた時に、SNSに家庭の悩みを書き込んだんです」(前同)
すると“よかったら遊びに来ない”と書かれた1通のDMが女性のアカウントへと届いたという。家庭とバイト先を往復し、帰宅すれば母の食事を作る毎日。そんな日々を過ごす女性にとって、金髪碧眼で優しげな眼差しの男性から送られてきたDMは、暗い暮らしを照らす一筋の光に見えたという。
「ホストクラブと聞けば、高額なお金が必要なのかなとも思いましたが、DMには“最初は3000円で良いから”って書かれていて。それならと思って店に行ったんです」(同)
店に着くや、DMの送り主である男性とご対面。耳元で「来てくれてありがとう」とささやかれ、天にも昇る気持ちだった。その日の会計はDMに書かれていた通り3000円ポッキリ。翌週も来店することを約束し、女性は店を出た。
「次の週にお店に行くと、“よく来てくれたね”って。“今日は少しお酒飲もうか”と言われました」(同)
店を出ようとすると、会計額は前回から0がひとつ増えた30000円。バイト代で母の生活の面倒も見る女性にとっては大金だ。
「行くのをやめなきゃという気持ちと、また行きたいって感情がせめぎ合ってしまって……。でも、指名しているホストからのLINE通知が来るのを見ると、ホスト通いをやめられなくなるんです」(同)