■勤務日のシフトや位置情報まで把握され……

 出会って3か月も経つ頃には“記念日”と称したホストから“今日は少しがんばろうか”と1回の来店で20万円を使うことを勧められるようにもなったという。

「断っても、観覧車の台に乗ったテキーラがテーブルに運ばれてきたんです。それを飲んでいる内に気がつけば泥酔状態。その日の会計額は40万円でした」(前出の女性客)

 請求書に並ぶ数字は、女性が支払える額を超えている。この頃から、女性はバイト先とは別の仕事を始めるようになった。

「夜はガールズバーで働くことになりました。ただ、1日2万円程度のお給料では、お金が足りない。そこからは指名しているホストの紹介で、風俗勤務を始めたんです」(前同)

 風俗勤務を始めるや、1日の給料は10万円を超えることも珍しくなくなる。しかし、1日に手元に入ってくるお金が増えるのとは反比例するかのように、女性がホストクラブで出費する金額は増えていく。

「勤務日のシフトや携帯の位置情報まで、指名しているホストに把握されるようになりました。仕事が終われば、店を出る時にもらったお給料を写真にとってLINEで送るようにと命令される。この頃には週の半分以上をホストクラブで過ごすようになりました」(同)

 稼げど、稼げど店への支払いは減っていかない。半年後には未払いのツケも1000万円を超えるようになった。女性が明かす。

「風俗店へ向かう途中に路上で倒れ、病院に運ばれたこともあります。ただ、ホストには今の住所や母親の名前まで把握されているので、逃げるのも怖い。どうすれば良いものやら……」

 一度ハマると抜け出せない「ホスト沼」。歓楽街を舞台に繰り広げられる男女の人間交差点の終わりは見えない――。