■初々しいカップルのキスと、大人の色気だだ漏れの“キス未遂”シーン

 第9話の予告では、2つの恋が大きく進展することを匂わせるシーンが多く使われていた。意図的に軽い男を演じている小西(前田)が朱里(めるる)に「惚れ直したでしょう?」と話すと、素直に「うん」と言われて固まってしまうシーン。

 笙野(毎熊)がお見合い相手と交際を始めたことに田中(木南)がモヤモヤを抱くが、そんな田中が片思いしていた既婚者・三好圭人(安田顕/50)にキスされそうなシーンなどだ。

「期待を煽られた多くの視聴者が第9話を見た、ということでしょう。田中と三好のキスは未遂に終わりましたが、三好を演じる安田さんの演技は本当にフェロモンだだ漏れでドキドキするシーンだった。そして、小西と朱里のキスシーンは美しいというより微笑ましかった。2つのキスシーンが、大好評だったんです」(前出のテレビ誌編集者)

 前田演じる小西は「ちゃんと……付き合ってくれない?」と、告白。めるるが演じる朱里は「うん、そうしよっか」とOKの返事。そして、そっとキスを交わした。直前まで居酒屋デートしていたのでキスの味は「にんにくぅ~」だったことに2人が微笑み、小西は「絶対大事にするから」と朱里をギュッと抱きしめる――という、王道のキスシーンが描かれたのだ。

《まさか小西と朱里がくっついてこんなに嬉しい日が来るとは、始まった時には思いもしなかったわ》
《小西の「惚れ直したでしょ」への朱里の返事に涙出そうになった》

 といった感動の声が多く寄せられている。

 一方で木南演じる田中は毎熊演じる笙野の交際に動揺しながらも、憧れの三好(安田)と急接近。三好に「キスして良い?」と聞かれ「嫌じゃ、ないです」と受け入れかけるも、脳裏に笙野との日々がとめどなくフラッシュバックし、思わず三好を突き飛ばして帰ってしまう。三好のことはずっと好きだったはずなのになぜ――自分でも分からなくて混乱する田中を朱里が励まして、第9話は終わった。

 こちらのキスシーンにも、

《三好さんのキス未遂シーンやばかった》
《キス直前シーンでは手を双眼鏡みたいにしてその穴から観た。視界を狭くしないとあんな色気を受け止めきれない、、良過ぎる、、》
《三好さん大人の色気凄くてヤバかった…》

 といった声が多く寄せられている。これまでの描写や三好の人間性から“笙野への恋心を自覚させるためにキスを迫ったのでは?”という声も多い。

※画像は『セクシー田中さん』の公式X(ツイッター)『@ntv_tanakasan』より

「前回から本格的に王道の恋愛ドラマを始動させ、そのうえで2種類の胸キュンで目が離せないキスシーンを描く。そして、見ていてじれったくなる笙野と田中さんが、最終回の直前でようやく自分の本当の気持ちを自覚しようとしている――続きが見たくて、たまらなくなりますよね。これまで積み重ねてきた魅力的なキャラのキスシーンだったからこそ、コア視聴率4.2%という秋ドラマナンバーワンの高数字を叩き出したということでしょう。

 ちなみに、最終回は“12月24日のクリスマスショー”の話ですが、放送日も12月24日。恋愛ドラマの締めが、現実と同じクリスマスイブ――『田中さん』の脚本のクオリティを考えると、これも狙ったのかも、と思えてきますね。イブの夜は家にいる人も多いし、最終回はさらに高視聴率になるのではないでしょうか」(前同)

 放送前はそこまで期待値は高くなかった『セクシー田中さん』。あれよあれよという間に23年秋ドラマの主役に躍り出たドラマは、劇中でも現実でも、クリスマスイブにフィナーレを迎える――。