■全米の野球人気は下降気味――アメフトとバスケが圧倒的

 そんなアメリカでは、野球人気も下降気味だという。

「21年9月に調査会社スタティスタが、全米で行なったプロスポーツに関する人気調査では、アメフト(NFL)が52%の支持を集めてトップ。次いでバスケットボール(NBA)が42%で2位でした。

 メジャーリーグ(MLB)や、アイスホッケー(NHL)、メジャーリーグ・サッカー(MLS)を1番好きなスポーツにあげる人は残りの6%とごくわずか。アメリカ人の中でそこまで人気のあるスポーツでもないのです」(前出のMLB担当記者)

 アメリカでは近年、モータースポーツ人気も急増。23年は5月にマイアミGPが開催されるや10月にはアメリカGPもオープン。翌11月には、ラスベガスGPの火蓋が切って落とされるなど3つのF1レースが行なわれている。

「大谷選手のトロント・ブルージェイズ入りが噂された12月10日に、日本の民放各局は、ニューヨーク支局から、カナダ南東の都市・トロントへと記者を投入。ただ野球人気が衰えている米国では、大谷トロント入りか? の一報はさほど、話題を呼びませんでした」

 そして、人気球団のドジャースに多額の長期契約で移籍した大谷選手には、”新たな敵”が出現しそうだ。

「ロスではユニフォームが売り切れるほど人気の大谷選手。それとは対照的にニューヨークのMLBショップで、大谷選手のユニフォームは山積み状態です。全国区の人気ではないということですね。

 そして、移籍が決まった日には早速、ニューヨークメディアの一つであるニューヨークポストが大谷選手と札束をコラージュした画像を記事にしていました。西海岸の人気球団に所属することになった大谷選手は今後、東海岸メディアからのバッシングとも戦わないといけません」

*画像は「New York Post」の公式X(旧ツイッター)『@nypost』より

「ここでプレーしたいなという気持ちに素直に従った」と、先の入団理由を会見で明かした大谷選手。12月22日(日本時間)にはオリックスからポスティングシステムでのメジャーリーグ移籍を目指していた、山本由伸投手(25)のドジャース入りも決定。山本投手と大谷選手の共演でドジャースをワールドシリーズ制覇へと導けるか。

(12月16日公開、一部追加)