■フジテレビが”本家本元”とアピールするワケ

 今回、小芝が演じるのは、第10代将軍・徳川家治(亀梨和也=37)との政略結婚を強いられた公家の娘・五十宮倫子役。さまざまな人間の思惑、嫉妬、憎悪、悲哀が渦巻く“女社会の縮図=大奥”で、ただ一つの寵愛を得ようともがく女たちの闘いが描かれるという。

 小芝と亀梨のほか、共演は西野七瀬(29)、森川葵(28)、安田顕(50)、栗山千明(39)、宮舘涼太(30)、伊武雅刀(74)、高橋克典(59)、陣内孝則(65)らだ。

 久しぶりの『大奥』にフジは気合いたっぷり。「それでもNHKを意識しているのはミエミエ」だと言うのは、前出のスポーツ紙記者である。

「フジは東映と組み、全編オール京都ロケをアピール。”豪華で荘厳”な衣装やセットを用意したといい、“クオリティーの高い映像美”を謳います。

 公式サイトでも“本家本元であるフジテレビの『大奥』が24年1月期の木曜劇場で復活”と“本家本元”を強調。

 もともと『大奥』は人気コンテンツで、これまでもいくつかのテレビ局が、いろいろな切り口でドラマを作ってきました。今回のフジの猛アピールぶりは、23年に2シーズン放送された、NHKの『大奥』を意識しているからこそでしょう」

 NHKの『大奥』は、白泉社『MELODY』の04年8月号~21年2月号まで連載された、よしながふみ氏の同名漫画を原作とした作品。よしなが氏の『大奥』は男女逆転になった世界を描いたSF時代劇で、“逆転大奥”とも呼ばれる。ちなみに、よしなが氏は、シーズン2が23年の10月から12月にテレビ東京でも放送された『きのう何食べた?』の原作者としても知られる。

「実は、よしながさんは、フジテレビが03年に菅野美穂さん(46)主演で初めて『大奥』を放送し、ブームとなったことにインスパイアされて、漫画『大奥』の着想を得たことを明かしています。フジが“本家本元”と主張するのに根拠があることは間違いないみたいですね」(前同)

 よしなが氏の“逆転大奥”は、過去3度映像化されているが、NHKでは23年が初で、脚本は大河ドラマ『おんな城主 直虎』や連ドラ『ごちそうさん』などを手がけた森下佳子氏が務めた。

「豪華な衣装や美術はさすがのNHK。役者も徳川吉宗役の冨永愛さん(41)をはじめ、徳川綱吉役の仲里依紗さん(34)など、凛とした美しさとかっこよさを持つ実力派が勢ぞろい。“キャスティングが神がかっている”と話題になりました。

 12月12日にシーズン2の最終回が終わると、“大奥ロス”になる人が続出。いまドラマ『大奥』というと、思わず“どっちの?”と、男女逆転版なのかそうでないのかを確認してしまうほど、NHK『大奥』はインパクトがありましたね」(同)