■結婚生活27年目で離婚を経験

 そんな八代さんの私生活に影を落とす出来事が21年1月に起こる。

「1994年の結婚から27年目で離婚を経験されました。2人が出会ってから40年以上、おしどり夫婦だったはずなのですが……。

 離婚の半年後、名司会者として知られる浜村淳さん(89)が、ラジオ番組で八代さんの離婚原因を“婿はんの浮気ですね。同じ事務所に所属する30代の女性歌手とどうやら仲が良くなったらしい”と明かした際は、芸能マスコミもざわつきました」(前出のスポーツ紙記者)

 八代さんが病と戦っていることを事務所のHPを通じて公表するのは、離婚から2年後となる23年9月のことである。当時の八代さんの胸中を湯川さんがおもんばかる。

「自分の娘のように可愛がっていた事務所の後輩と長年連れ添った旦那さんが恋仲になるなんて……。初めて、このお話を聞いた時は、気の毒でとても顔を合わせることができなかったですね。心根が優しくって、人の心に共感して曲を表現する八代さんが私生活で大きなショックを受けたと聞いた時は本当に切なかったですね」

 08年に渋谷で若者と買い物をするバラエティ番組に出演した際には、タイトな服を共演者に勧められ、「私は胸が大きいからこの服は着られない」と照れたように話し、周囲の人々を笑顔にした八代さん。昭和の歌姫は最後まで、少女のような繊細な心の持ち主だった。

湯川れい子
1936年1月22日生。東京都生まれ、山形県育ち。音楽評論家・作詞家・翻訳家・USEN放送番組審議会委員長。氷川きよし中森明菜水谷豊、沢田研二など数多くのトップシンガーの作詞を手掛ける。