東京都は、2024年度から「恋愛マッチングアプリ」に本格参入するという。
明治安田生命保険が23年11月16日に発表した調査結果によると、この1年間に結婚した人の4人に1人はマッチングアプリが出会いのきっかけになったと回答するほど盛り上がりをみせている。
ただ、「アプリ婚」が身近な存在となると同時に、利用者間のトラブルも増えている。プロフィールに記載された年収や身長、写真などを“盛る”のはもとより、付き合ってみたら相手は既婚者だったという詐欺まがいのケースまであるという。
玉石混交のマッチングアプリ業界に、東京都という行政組織が乗り出すとあって注目されているわけだが、その背景に何があるのか。都が運営を試みるマッチングアプリサービスを担当する、東京都生活文化スポーツ局の須山朝子さん(都民生活部 都民活躍支援担当)に話を聞いた。
「都が提供するマッチングアプリサービスは、登録するにあたって価値観診断を利用者に受けてもらいます。その結果を基にしてAIが交際相手をオススメする。その名も『AIマッチングシステム』です。利用できるのは東京都在住・在勤・在学の18歳以上で、料金は無料。23年12月から一部限定的にブラウザー上での試験利用を始めており、アプリ版も準備中です」
都がこうした事業に踏み出した理由を、須山さんは「結婚を希望していても、一歩踏み出せていない人たちが多いから」と説明する。
「都が18年に行なった調査『都民の結婚等に関する実態及び意識についてのインターネット調査』(対象:都内在住の18歳以上50歳未満の未婚者、3211人)の結果によると、“いずれ結婚するつもり”と答えた人が7割近く(68.9%)にのぼります。また、その人たちに現在独身でいる理由を聞いたところ、“適当な相手にめぐり会わないから”(47.8%)が最も高いことがわかりました。
都では、そういう方の後押しをするさまざまな取り組みをしており、18年11月末からは結婚応援ホームページ『TOKYOふたりSTORY』を開設。婚活を考えている人向けにウェブ相談窓口を開設していますし、都内のデートスポットを紹介するなど、婚活をする方向けに情報提供も行なっています」(前同)
須山さんによれば、都は婚活支援として主に3つの事業を行なっているという。1つ目は交流イベント、2つ目はウェブ相談、そして3つ目が24年度に開始されるAIマッチングシステムだ。