■嵐メンバーの主演ドラマが次々とコケるなか……
前作同様、目の前で爆弾が爆発しても武蔵は無傷。そして、武蔵の決め文句「ウソだろ…」を、空港が占拠されたと分かってタイトル映像が流れる直前、さらに、ヘビのお面を被った犯人の正体が駿河(宮本茉由)だと分かったラストと、絶妙なタイミングで繰り出すという、前作のトンチキさを期待する視聴者を裏切らない、ツボを抑えた作りだった。
また、ドラマの盛り上がりを喜んだのは視聴者だけでなく、櫻井も同じかもしれない。それは、同局系のバラエティ『嵐にしやがれ』を引き継いだ『1億3000万人のSHOWチャンネル』(土曜よる9時)が3月末に終了。さらに、報道番組『news zero』(月曜~金曜深夜)の月曜日ニュースキャスターを降板するという噂も流れた。
後輩グループのSnow ManとSixTONESが、バラエティやドラマなどで視聴者の支持を集める中、一時は“日テレの顔”とまで言われた櫻井の存在感が、薄くなっていたのは間違いないからだ。
視聴者から《ライフワークにすべき》という声があるが、たしかに、本作は本筋となるストーリーよりも、ツッコミどころ満載の設定と演出が受けているので、続編は作りやすいだろう。病院や空港のような占拠可能な舞台を用意できれば、映画『ダイ・ハード』のようにシリーズ化も可能だ。
前期では、松本潤(40)主演のNHK大河ドラマ『どうする家康』、二宮和也(40)主演の月9ドラマ『ONEDAY~聖夜のから騒ぎ~』(フジテレビ系)と、嵐のメンバーの主演作が大コケ。どちらも豪華キャストの大作だったのに、トンチキさが売りの『新空港占拠』が好調なのは皮肉なことではあるが……。
ともあれ、今作の好調発進によって櫻井の株が上がることは間違いない。残念ながらバラエティの冠番組は失ってしまったが、『占拠』シリーズがあれば、日テレの顔としてまだまだ頑張れそうだ。(ドラマライター/ヤマカワ)