ついにというべきか――。

 中国のファストファッションブランド『SHEIN(シーイン)』が、1月16日、ユニクロによって法廷へと引きずり出されることになった。ユニクロが手掛けるショルダーバッグに酷似した商品を『SHEIN』が販売していたとして、東京地裁に提訴されたのだ。

《とうとう大手に訴えられたかー…》
《まあわかってたけどやっと提訴されたか》

 など、X(旧ツイッター)上では、『SHEIN』を批判する消費者からの意見も目立っている。

 そもそも今回、問題となっている『SHEIN』とは――。ファッション誌編集者が解説する。

「現在、世界150以上の国と地域で事業展開をしている『SHEIN』。2008年に前身となる企業・南京希音電子商務として創業。15年から『SHEIN』ブランドの本格展開を開始すると、日本でも20年8月にサービススタート。ピアス200円、バッグ500円、デニム2000円など、幅の広いファッションアイテムが激安で数多く取り揃えられるとして、若年層が飛びつきました」

 激安価格が売りの『SHEIN』だが、その裏には理由があるという。

「商品開発にはAI技術を駆使。今、注目されているトレンドをデータ分析し、そのデザインを取り入れたアイテムを爆速で発売。デザイン費用を圧縮することで、圧倒的な安さを実現する仕組みを構築しているのです。

 トレンドを反映した商品を数日で市場に送り込むというスピード感は、業界内でもはや“ファストファッション”を超え、“リアルタイムファッション”と評されるほどです」(前同)

 ただし、問題点が指摘されることも珍しくはないという。

「AI技術を駆使したデザイン開発の結果、サイト上では露骨な“パクリ商品”が多数、販売されていることでも知られています。結局、素早く安い価格で商品を作ろうと思うと、新しいデザインをおこすなど独自のトレンドを生み出す時間はない。トレンドを模倣・複製することで、商品を安く大量に市場へ投下できるというわけです」(同)

 これまでに指摘されてきた『SHEIN』のパクリ疑惑は、枚挙にいとまがない。CHANELのパンプス、ヴィヴィアン・ウエストウッドやティファニーのネックレス、ルイ・ヴィトンやLOEWEの財布、バーバリーにエルメスのバッグ……。