2023年、ブームを巻き起こした韓国発祥のお菓子といえば、10ウォン硬貨や10円玉を模した『10円パン』だ。その他にも、クロワッサンの生地をワッフルメーカーで焼き、サクサクとした食感が話題を呼んだ『クロッフル』や、旬のフルーツを飴でコーティングした『タンフル』など、韓国発のグルメはしばしば日本の若者の間でトレンドになっている。

 そうしたなか、今、Z世代が注目する新・韓流グルメがあるという。その名も韓国発祥の『ユルムラテ』――。

 聞き覚えがない『ユルムラテ』という言葉。この商品の火付け役となったのは、韓国グルメや韓国コスメ、K-POPショップなど、韓国系の店がひしめく東京・新大久保で23年7月にオープンしたカフェバー『SCENE clos(シンクロ)』。

「店内は韓国のファッションセレクトショップ『cloline』が空間演出を手がけており、コンクリートを基調とした内装はモダンな雰囲気を漂わせます。

 店名の由来は、偶然の場面("SCENE")にフォーカスした8坪の小さな空間("clos")とのこと。日替わりでスタッフがセレクトしたメニューが店では出され、日本では珍しい韓国産コーヒーや韓国風ラテ、韓国の伝統菓子を楽しむこともできます」(常連客)

韓国の家庭の味・ユルムラテを提供する話題のカフェ『SCNE Clos]

 なぜ、ファッションセレクトショップがカフェバーを手がけることになったのか。また韓国発で話題を呼ぶ『ユルムラテ』とは一体どういうドリンクなのか。その秘密に迫るべく、弊サイト編集部員は実際に店へと足を運んだ。迎えてくれたのは『SCENE clos』の藤井佑成さんだ。

 ファッションセレクトショップがカフェを手掛けた理由を尋ねると、

「韓国ではアパレルショップにカフェが併設されていることがすごく多く、1階がカフェで、2階がアパレルという形態のお店も珍しくはありません。店内の演出を担当する『cloline』の韓国人オーナーもいろいろなことに挑戦したい方。そんな縁もあり、ファッションを楽しむ感覚で韓国ドリンクや伝統的なお菓子を楽しめるカフェバーとして『SCENE clos』をオープンしたんです」(前出の藤井さん)

 大通りから一本入った路地に佇む店のコンセプトは「はじめてなのに心地よい、新しいのに懐かしい」。藤井さんは、「新大久保に、“ありそうでない”カフェだと思います」と話す。

「1回行ったら満足するような話題性重視のカフェが多いなかで、オーナーが大事にしたのは“韓国の伝統文化を大切にしたい”という想いと、くつろげる居心地の良さ。実際に常連さんがすごく多く、なかには10回以上も通ってくださる方もいらっしゃいます」(前同)

 ゆったりとした時間が流れる店内では、韓国産のコーヒーや看板メニューである『ユルムラテ』を筆頭にさまざまなラテが提供されている。