■TBSドラマとの“とんでもない差”

 日本テレビのドラマの評価が低い理由とはいったい。前出の芸能プロ関係者が続ける。

「日テレのドラマはどうやって制作が決定されるか、全く見えてこないんです。他局であれば若手プロデューサーでも良い企画を提案して、評価されれば採用され、制作に至るわけですが、日テレはどういう経緯で制作決定を出しているのかわからないんです」

 日本テレビのドラマ周辺を巡っては昨年、『3年A組-今から皆さんは、人質です-』や『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』のプロデューサーを務めたドラマ部門の若手エースだったA氏が『最高の教師』の放送期間中に退局し、Netflixへと移籍するという前代未聞の事態も起こった。

※画像は『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』の公式X(ツイッター)『@saikyo_ntv』より

「A氏も日テレのドラマ部門の体制に嫌気がさして、普通ならありえない辞め方をしたと聞こえてきていますね……。

 若手プロデューサーが芸能プロダクションに“こういう企画をやりたい”と提案し、芸能プロサイドは“じゃあうちの看板俳優を出しますよ”といった具合に話を詰めて、その企画が通り、ドラマの放送に至ったら局と芸能プロとの信頼関係は高まりますよね。ところが日テレではそうしたことが難しく、ドラマが決まる経緯が完全ブラックボックス化していて、制作者と信頼関係が築きにくい。制作者にベットしにくくて、芸能プロサイドからしてみたら信用ならないんです。

 だったら制作者の顔がしっかり見える他局、なんならテレ東のドラマのほうが優先度は上になってくると。その中でも一番格上なのがTBSです。大手の芸能プロダクションでも、トップ俳優の2年先のスケジュールを渡すほどで、TBSのドラマに自社のタレントを出したいんです。それほど信頼感があると。

 最たる例が『VIVANT』ですよね。福澤克雄さん(60)が監督をやるなら――と普通ならありえない超豪華キャストが実現したんです。『VIVANT』は2025年7月期にも放送が決まっていると言われていますが、そんな先のことが実現するのは、TBSドラマに圧倒的なブランド力があるから。一方で日テレのドラマはそうではないと。

 今回の『セクシー田中さん』の進め方、広報から出たコメントを受けて、“うちのタレントを日テレドラマには出したくない”となっているプロダクションも多くあるのではないでしょうか……」(前同)

 起こってはいけないことが起こってしまった今回。制作の現場は、大きな変化が余儀なくされるだろう。