■フジは脚本以外のトラブル、テレ朝は原作者の意向無視で炎上

 ところが、『海猿』は映画4作目の『BRAVE HEARTS 海猿』(2012)が公開後、佐藤氏は契約書なしに勝手に関連書籍を販売されたこと、2度もアポなし取材されたことに激怒。新規取引停止と続編を許可しないことを公表し、大騒動となった。

 最終的に佐藤氏とフジテレビは和解したが、2017年に佐藤氏はXで《今後(『海猿』が)テレビやインターネットで放送・配信されることは永久にありません》と報告し、現在も『海猿』は再放送・配信されていない。

 また、テレビ朝日では、吉瀬美智子(48)主演の連続ドラマ『ハガネの女』が、原作者の深谷かほる氏とトラブルになり、今日にいたるまで『season2』がソフト化されていない。

『ハガネの女』は、小学校教師の芳賀稲子(通称ハガネ)が主人公の同名漫画(集英社)が原作。2011年放送の『season2』は原作にないオリジナルストーリーが展開されていたが、第2話のシナリオに批判の声が殺到し、これがトラブルの原因となった。

 深谷氏は第2話の内容に反対していたのにテレ朝が意見を採用しなかったことをブログで綴り、最終話では原作者の立場を降りてクレジットも削除されたのだ。

※画像は『孤独のグルメ』の公式X『@tx_kodokugurume』より

「一方で、ここにきて再評価の声が上がるテレ東は、松重豊さん(61)主演の『孤独のグルメ』(原作:久住昌之)シリーズ、NHKは高橋一生さん(43)主演の『岸辺露伴は動かない』(原作:荒木飛呂彦)シリーズなど、以前から原作者の意向をしっかりと汲み、また『岸辺露伴』なら“背中を見せないように人混みを歩く”というシーンを脚本家が実際に街で試してから書いたり、実写化において信頼度の高い局です。

 加えて、NHKとテレ東は昨年10月クール、よしながふみ氏の漫画作品を実写化し、非常に丁寧な作りが評価されたばかりだったことも、再評価されている理由でしょうね」(前出のテレビ誌編集者)