■悲しすぎてクセになる?
「高校時代の回想シーンをうまく使い、指輪、マーガレット、制服の第2ボタンと、伏線を見事に回収していく展開。しかし、それらがすべて悲しみを増幅させるという、恐ろしい構造です。見るのが拷問のようなドラマですが、伏線回収までの展開が巧みすぎて、ツラいツラいと言いながら、結末が気になり、つい見てしまう中毒性があるんですよ。
地上波をリアルタイムで見ると、週のはじめから気分が重くなってしまうので、あとから配信視聴で腰をすえて見ている人も多いはず。これが、視聴率と配信の数字の開きの正体なのかもしれません」(ドラマライター/ヤマカワ)
TVerのお気に入り登録の数を伸ばし続けている『君が心をくれたから』。今期ドラマでは104.9万(2月5日18時現在)で現在トップの『新空港占拠』を抜く可能性は?
「『新空港占拠』はストーリーより各エピソードを楽しませる構造で、初回から勢いよく登録数を獲得しましたが、今後はパターン化が懸念され、数字の伸びは落ち着きそうです。
一方、『君が心をくれたから』は、五感を失うという、しっかりした本筋で引っ張っていく構造で、悲しみが増していく後半にかけて盛り上がるでしょう。そのため、今後、逆転の可能性は十分です」(前出のドラマライター/ヤマカワ)
最近は視聴率とともに、配信サービスの成績も重視する傾向にある。地上波で惨敗しても配信でトップを獲れば、『君が心をくれたから』は冬ドラマの裏王者になるかもしれない。