■「ブス」、「クソジジイ」昭和の日常にZ世代はドギマギ

 ドラマ内で描かれる昭和のシーンでは、主人公・市郎(阿部)の娘で河合優実(23)演じる17歳の女子高生・純子が喫煙するシーンは当たり前。挙句、「ブス」「クソジジイ」といったセリフも日常用語として飛び交う。一昔前まではありふれた光景ではあるが、コンプライアンスによる締めつけが当然となった世を生きるZ世代の若者には、この演出が新鮮に映っているようだ。X(旧ツイッター)上では、

《令和の価値観も 昭和の価値観も どっちも素直に理解できる、ふしぎ!》
《もはやミュージカル》

 といった、戸惑いと共感が入り混じった意見も見受けられる。

 一方で、主人公の市郎と同世代である昭和を生きたアラフィフ世代の視聴者からは「いつの時代?」という疑問やツッコミの声も出ているようだ。

「河合さん演じる女子高生・純子が聖子ちゃんカットなのですが、松田聖子さん(61)がこの髪型をしていたのは80〜81年。その後も真似ていた女性はいましたが、さすがにドラマの舞台となっている86年では“古臭い”と、ほとんど見かけなくなっていましたね」(ベテラン芸能記者)

※画像は金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」の公式X(旧ツイッター)『@futeki_tbs』より

 また純子が心を寄せるムッチ先輩(磯村勇斗・31)は、“ムッチで~す”のセリフとともに登場することから、誰がどう見てもマッチこと近藤真彦さん(59)が元ネタ。そんなムッチ先輩の登場シーンにも疑問の声が……。

「第1話では近藤さんのヒット曲『ハイティーン・ブギ』の歌詞から引用している台詞がありましたが、この曲がヒットしたのは82年。基本的な設定がドラマの舞台である、86年とは4〜5年ほどズレているんです」(前同)