■新設した枠は悲惨すぎる結果に……

 2023年の1月クールと10月クール、NHKではよしながふみ氏の漫画『大奥』が原作の“男女逆転”『大奥』を放送していた。大胆な設定変更ながら筋の通ったシナリオ、安達祐実(42)や仲間由紀恵(44)など、女優陣の演技力も非常に評価されていた。

 一方のフジテレビ版『大奥』は分かりやすさを重視した作風とフレッシュなキャスト陣が裏目に出てしまい、

《新しい大奥つまらないな…何だろキャストが若いから迫力がないし演技が微妙》
《風花ちゃんは上手いけど演技が現代的。他の方々は上手じゃないうえに和服違和感強いし、貫禄もなく、役にもハマってない。ただのいじめ物語みたいで、大女優達の作ってきた「大奥」とは違うものになっちゃった感》

 といった厳しい声が、X(旧ツイッター)にも多く寄せられている。

『君が心をくれたから』、『春になったら』、『婚活1000本ノック』、『大奥』――いずれも低空飛行ぶりが凄まじい。しかし、前述の4作品以上に“大爆死”しているのが、フジテレビで昨年10月クールに新設されたばかりの「金曜9時」枠だという。

※画像は『院内警察』の公式X『@innai_keisatsu)』より

 今1月クールの「金9」は、桐谷健太(44)主演の『院内警察』が放送中。酒井義原作、林いち作画の漫画『院内警察〜アスクレピオスの蛇〜』(秋田書店)が原作の、「刑事モノ×医療モノという人気ジャンルを融合した新感覚の医療エンターテインメント」なのだが……。

「まず、この枠では、真裏で“テレビ界最強コンテンツ”のひとつである『金曜ロードショー』(日本テレビ系)が放送されているうえ、『院内警察』の第1話(1月12日放送)から第4話(2月2日放送)の放送中に『金曜ロードショー』では“4週連続『ハリーポッター』シリーズ”をぶつけていて、その影響をモロに受けていた。

 第1話から『ハリーポッター』に潰されて視聴者がつかなかったためか、第4話はコア1.0%という、“視力以下”とも言えそうな悲惨な数字になっています」

 ドラマの内容は演出面に関する意見が目立ち、

《走ってきたのに息上がってないし、息遣い整った台詞なの??汗もかいてないし、演出下手くそ?》
《演出が悪いのか皆演技が下手に見える》

 といった厳しい声が多く上がっている。

「看板枠のはずの月9は2%台前半。そして、それ以外の作品は1%台――以前からドラマの魅力低下が言われてきたフジテレビですが、いよいよここまでか、という感じですね。

 特に新設した『金9』枠はまだ視聴者に“ドラマの枠”というのが馴染んでいないことも低視聴率に影響しているのかもしれませんが、裏番組『金曜ロードショー』が強いのは目に見えていたはず。せっかくドラマ枠を増設しても、いたずらに数字が取れない作品を増やすだけになってしまい、このままでは“粗製濫造”と言われてしまうでしょうね。

 近年の日本の文化を作ってきた伝統のフジテレビドラマは今、本当に崖っぷちに立っていると言えそうです……」

 各局が枠を増やし、ドラマ戦国時代とも言える時代になった令和6年。フジテレビの大逆襲に期待したい!