■『セクシー田中さん』原作者の逝去があり、今、日テレには大逆風が

 前出の制作会社関係者が続ける。

「日テレも若い世代をターゲットにしていて、『新しいカギ』を見ている層を狙っていきたいということなんでしょう。どうやら日テレでは今春からよりコア視聴率が重視されるようで、広告収入に直結するコア層(13歳から49歳)にしっかりと見てもらわないと、全く評価されないということでしょうね。

 ですが、『新しいカギ』の『学校かくれんぼ』は番組終了危機の大ピンチで、スタッフたちが苦しんで苦しんでなんとか絞り出した企画で、計画的に生み出されたものではないでしょう。突発的に出た、苦しまぎれのアイデアなのかもしれません。ところが、その企画が大成功したと。

 やはり、簡単に“新しいカギみたいなゲーム番組”を企画することは難しいし、それでもやろうとすると、劣化版が生まれるだけになりますよね……」

※画像は『新しいカギ』の公式X(ツイッター)『@atarashiikagi』より

 他局の番組のアイデアを真似た企画を募集するという点からも、日本テレビ上層部の苦しさ、焦りがうかがえる。

 2023年10月クールの『セクシー田中さん』(日本テレビ系)の原作者である漫画家の芦原妃名子さん(享年50)が逝去し、日本テレビに批判が殺到していることも大きいだろう。4月クールにムロツヨシ(48)が主演で放送予定だった連続ドラマ『たーたん』(日本テレビ系)は、制作中止が発表されている。

『たーたん』は西炯子氏(57)による同名漫画が原作で、漫画は現在も『ビッグコミックオリジナル』(小学館)で連載中。そしてドラマのプロデューサーは『セクシー田中さん』と同じ人物が務めていたといい、「日テレ×小学館×同プロデューサー」の再タッグということでも注目を集めていた。

「現在、問題山積みとiえそうな日テレですが、いまだバラエティ制作では一日の長がある。『アメリカ横断ウルトラクイズ』や『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』から始まり、『絶対に笑ってはいけないシリーズ』や、レギュラー放送中の『有吉の壁』など、大型施設を使った名ロケ番組を生み出してきた豊富な経験値もある。

『新しいカギ』は学校×若手芸人という組み合わせですが、大規模ロケで名番組を世に送り出してきた日テレバラエティの底力で、多くの人を巻き込む、名ロケ番組が今後、誕生するのかもしれませんよね」(前同)

 逆風が吹いている民放の王者・日テレ。若者たちが大興奮して見ている『新しいカギ』を超えるような、新たなバラエティ番組を生み出すことはできるだろうか――。