■「カラテカ」がコンビを解散しない理由とは?

――入江さんは芸能界から離れていますが、カラテカというコンビを解散しない理由は?

 それは相方が決めることなんで、僕からは言う権利ないんで……。「解散しよう」って言われたら、僕は「やめてくれ」とは言わなかったと思う。僕からも、謹慎や吉本を契約解除された時も「解散しよう」とは言わなかった……というか言えなかったですね。

 そもそも矢部とコンビを組んだ理由は、なんか面白そうだなと思ったから。16歳のときに出会って、ファミコンの『カラテカ』っていうゲームがあって「クソゲーだね」って一緒に盛り上がってずっと遊んでた。なんだか名前が面白くていいなと感じて、僕から「コンビ名をカラテカにしようか」って言ったのは覚えてますね。

――あらためていま、矢部さんはどういう存在だと思いますか。

 やっぱり(矢部は)冷静なんで、ちゃんと俯瞰で僕を見てくれてるんだなと。いい意味でもずっと変わらないし、野心がないところとか……お金を追ってないですよね。

 あれだけ本が売れてお金を持っても電車で来るし、服装も変わってない。何も生活は変わってないんです。本当にお金に興味がないからこそだとは思うんですけど、なにひとつ変わってなくて不思議です。

 お金を持つと、変わっちゃう人も見てきました。それがいい方向に行くこともあれば、悪い方向に行くこともあるのかなっていう風に思います。だから、お金にばかり囚われない方がいいんだと思います。僕はお金にも囚われてしまっていたんだと思います。

■プロフィール
入江慎也(いりえ・しんや)
1977年4月生、東京都小平市出身。97年、高校の同級生の矢部太郎と共にお笑いコンビ・カラテカを結成。2019年6月、事務所を通さずに仕事を受ける「闇営業」が発覚し契約を解除される。その後、清掃業のアルバイトを経て、起業。株式会社ピカピカで代表取締役を務めている。