■高倉健さんと共演したことで「役者になりたい」と思うように

　２０１８年２月の『週刊朝日』（朝日新聞出版）のインタビューでも草なぎは高倉さんからの影響について「高倉健さんと縁があったことで、役者が僕の中では特別な分野というか、そういう気持ちになっています。健さんの影響は本当に大きいんです」と明かしている。

　当時、自身のことを役者だとは思っていなかったものの、高倉さんと仕事をしてからは演技に興味が湧き、「役者になりたい」と思うようになったという。映画『あなたへ』に出演し、自分としても開花した、心が解放されたと感じたと草なぎは回想している。

　２０１３年６月に都内で行なわれた映画『中学生円山』の大ヒット御礼舞台挨拶に登壇した草なぎは、ドラマ『幽かな彼女』（フジテレビ系）に出演していた中学生役の生徒たちに高倉さんの教えを交えて公開授業を行なった。

「ラブシーンは緊張しますか？」という質問に、草なぎは「僕はいつも緊張しますよ」と明かし、「でも、カメラの前に立って上手く演じようなんて思わなくてもいいんだよ」と伝授。高倉さんと共演した際に言ってもらった「変に上手くやろうって思わなくても、お前の中にいる芝居の神様が、勝手に芝居をしてくれるから」という言葉を生徒たちにも伝えている。

※画像は草なぎ剛の公式インスタグラム『＠tsuyoshikusanagi_official』より

「その後も草なぎさんはたびたび健さんの名前を出しています。２０２１年２月に『ミッドナイトスワン』で『ブルーリボン賞』主演男優賞を受賞したときにも、高倉さん、『僕の生きる道』シリーズで共演した大杉漣さん（享年６６）の名前を出し、“お世話になった先輩方に『立派な賞をいただきました』と報告したい。健さん、漣さんからいただいた要素を膨らませて、いろんな役ができている”と語っていましたからね。

　今や日本を代表する名役者となった草なぎさんですが、波乱万丈の彼の芸能生活の支えとなり、役者としての開眼を促してくれたのは、やはり健さんだったのではないでしょうか。そんな健さんのキャリアを代表する映画『新幹線大爆破』の新作で主演を務めるというのは、草なぎさんにとっても誇らしいことでしょうし、同時にプレッシャーもあるでしょうね」（前出の芸能プロ関係者）

　今回、《高倉健さんの気持ちを受け継ぎ、全力で挑みます》と宣言した草なぎの『新幹線大爆破』の演技に注目が集まる！