過去の栄光はどこへやら、高かったブランド力が地に落ちる寸前にあるフジテレビ月9ドラマは、窮地からの復活を2人の大人気俳優に託したようだ――。

 俳優の眞栄田郷敦(24)が4月クールの月9ドラマ『366日』(フジテレビ系)に出演することが2月29日に明らかになった。俳優デビュー5周年の節目となる今年、月9ドラマ初出演を果たす。

 同ドラマでは初共演となる主演・広瀬アリス(29)が演じる主人公・雪平明日香の高校時代の同級生で、後に交際することになる水野遥斗を務める。

 同作は人気バンド・HYの楽曲『366日』の世界観に着想を得たオリジナルストーリー。高校時代に実らなかった恋を叶えようと再び動き出した男女が、予期せぬ悲劇に直面しながらも愛する人を思い続ける壮大な愛の物語。

 HYの『366日』は、2008年にリリースされたアルバム『HeartY』の収録曲で、ボーカル・仲宗根泉(40)が作詞・作曲を担当。叶わない恋を歌った切ない失恋ソングとしてリリースから16年がたった今もファンが多く、世代を超えて愛されている。

 この『366日』をモチーフに、4年に1度のうるう年となる2024年に「一生、忘れられない恋」を描いたオリジナルラブストーリーがドラマで描かれるという。同作の主題歌はもちろん『366日』だ。

 脚本は『最愛』(TBS系)、『リバーサルオーケストラ』(日本テレビ系)などの清水友佳子氏が、メガホンを取るのは『義母と娘のブルース』シリーズ、『JIN-仁-』シリーズや『天国と地獄〜サイコな2人〜』(ともにTBS系)などのドラマ、映画を数多く手掛けてきたヒットメーカー・平川雄一朗氏が務める。

※画像は広瀬アリスの公式X(ツイッター)『@Alice1211_Mg』より

■フジ月9ドラマは「3連敗中」……

 出演にあたって郷敦は「昔から日本のドラマといえば月9という印象で、それもよく聴いていた『366日』にまつわる題材ということで、すごく感慨深くワクワクしてます。はかなく美しいこの曲が作品とどう交わって行くのか、僕も今から楽しみです」とコメント。

 自身の役については「明るくてポジティブでみんなの中心で太陽のような人物。しかし、ベースに人見知りで繊細な部分があるのがまた魅力的だと思いました」と語り、「月9、『366日』、楽しみでしかない。皆様もご期待ください!」と呼びかけている。

 過去、輝かしい歴史を築いてきたフジ月9ドラマだが、現在は非常に厳しい状況にある。ここ最近の作品を見てみると、2023年4月クールの『風間公親-教場0-』はコア視聴率(テレビ各局が重視している13~49歳の個人視聴率)4%台だった。その後の『真夏のシンデレラ』はなんとか3%台をキープしたのだが、同作は全話の平均世帯視聴率が5.7%(すべてビデオリサーチ調べ、関東地区)と月9最低を記録してしまった。

 次の『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』は、コア視聴率が振るわず2%台を記録し、しかも全話の平均世帯視聴率は5.3%と『真夏のシンデレラ』からさらに月9ワーストを更新。

 そして、現在放送中の『君が心をくれたから』も世帯視聴率とコア視聴率ともに振るっておらず、2月16日も世帯5.5%、コアは2.2%だった。

「コア視聴率はまだ戦えていたものの、世帯視聴率がワーストを記録し、内容面も厳しく言われた『真夏のシンデレラ』。国民的タレントの二宮和也さん(40)が主演したのに世帯もコアも大惨敗となった『ONE DAY』。

 そして、若年層に絶大な人気を誇る永野芽郁さん(24)と山田裕貴さん(33)のラブストーリーでも低空飛行を続ける『君ここ』。同作は見逃し配信サービスTVerでは回っていますが、同サービスから入る広告収入は地上波の10分の1ほどと言われ、微々たるもの。

 つまり、月9ドラマは“3連敗”を喫していて、相当厳しい状況にあるんです。『366日』主演の広瀬さん、相手役の郷敦さんにもプレッシャーはあるはずです」(ドラマ制作会社関係者)