ヤンニョムチキン(甘辛ソースで味つけされた韓国のフライドチキン)にチーズハットグ(串に刺したチーズに衣をつけて揚げたもの)を売る韓国料理店、韓流コスメストアも立ち並び、若者を中心に多くの人で賑わう東京・新大久保。その街の一角で今、人気を博している店がある。韓国雑貨を扱う『ボムカフェ/BOM CAFE』だ。

 数多の韓流トレンドを扱う店が軒を連ねる新大久保で、この雑貨店が一際人気を集める理由はなんなのか。若者文化や流行の最先端に詳しいトレンドアナリストの太田まき子氏が解説する。

「このお店最大の売りはワッペンワーク。ワッペンワークとはキーボルダーや巾着袋に自分好みのワッペンを選んで貼り付ける、オリジナルグッズ作りです。自分だけのオリジナル商品を作ることが出来ることから人気を集めています」(太田氏)

 新大久保では2月26日にもオリジナルデザインのワッペンワークが体験できる『My fave』がオープンしたばかり。ワッペンワークが韓流雑貨店で扱われる背景には韓国独自の伝統文化の影響があるという。

「韓国では大きさや色が異なる布をつなぎ合わせた伝統工芸・ポシャギが人気。物を包むだけでなく、ライトの光を照らしてインテリア代わりに使用する人もいます。手芸文化が根付く韓国で手軽にオリジナルグッズを作れると近年、人気になったのがワッペンワークでした」(前同)

 それがここ数年続く韓国ブームの影響で、日本でも流行の兆しを見せ始めたのだという。背景には「韓流アイドル人気がある」と太田氏は話す。

「オリジナルアイテム作りが楽しめるワッペンワークはアイドルファンに打ってつけ。好きなアイドルを応援する推し活に勤しむ人の間では、推しメンバーのイメージカラーであるメンバーカラーのグッズを身に着けるのが一般的です。

 ワッペンワークは、自分が応援するアイドルのメンバーカラーであるキーホルダーなどに、推しの名前をワッペンで張りつけられる。韓流アイドルファンの間で熱い視線を注がれているのです」(同)