■仏壇3000円、臼と杵が1万円……値下げをする意外な「目安」
あくまでも目的は粗大ごみの削減とリユースの意識醸成であるため、売上は”副産物”という考え方。発送料も生じないため、激安価格が実現する。前出の山添さんは「売れ行きが良すぎて、最初は私たちも衝撃でした」と、その手応えを話す。
「値付けは、メルカリに出品されている同様のものを見て、そこから発送料を引くという感じですね。週1回ペースで10個から20個ほどを出品していて、早いと30秒、一日で半分ぐらいのものが売れます」(前同)
値下げをすることもあるという。ただし「売れないから」ではなく、目安は「倉庫がいっぱいになったら」。市ではメルカリ用に3m×2mほどの小さな倉庫を3つ持っているが、そこにごみが入り切らなくなりそうになると、値下げを行なうというのだ。
出品する“優先順位”は重いもの、大きいものだという。
「やはりごみを減らすためにも、大きいものをなるべく売りたいという気持ちはあります。人気があるのはやはり椅子や棚といった家具類。意外な商品例ですと、未使用品の仏壇が3000円や5000円で売れたりとか。
人気があったのはお正月シーズンの臼と杵ですかね。2万円で出品した後1万円に値下げしたところ、たくさん欲しいという方がいらっしゃって、売却済みを伝えると“売れちゃったの!?”と残念がる声もいただきました。
最近、棄てられるごみの中でも需要があるのは、オフィスチェアです。コロナ禍を経て、リモートワークをする方が増えたことが需要につながったのかなと思います」(同)
取りに行く必要はあれど、静岡県三島市という大都市圏からのアクセスが悪くない土地柄ゆえか、愛知県や神奈川県・東京都といった周辺地域からの注目度も高く、市外からの買い手が7割ほどと多いそうだ。これまでの半年間で約400点が売れ、売上は40万円ほどになるとのこと。売上金の用途は、出品に関係する確認や処理に関わる費用などを想定しているという。