■粗大ごみ処分に年間8000万円の税金

 前出の三島市環境市民部廃棄物対策課の山添さんによると、メルカリで三島市が粗大ごみを売ることにした理由として、「焼却灰や不燃ごみなどを埋め立てる県内の最終処分場がキャパシティオーバーを迎えていたこと」が大きいという。

「三島市は、静岡県内の人口10万人以上の都市のうち1人あたりの粗大ごみ排出量が4番目に多く、年間計約2200トンもの粗大ごみが出ています。しかし、もうごみを埋める場所がないという現状がある。

 そうした中、埋め切れなくなったごみは県外に搬出し、その処分に税金を年間8000万円も使わなくてはいけませんでした。そもそもごみをどうやって減らしていくのかと考えるなかで、メルカリさんが自治体との取り組みを行なっていることを知ったのです。リサイクル可能なごみをメルカリに出品するという方法もあるのかと始めたのが今回の企画です」(山添さん)

 三島市による粗大ごみのメルカリ販売は、静岡県内で初だ。現在の部署に配属されて3年目になるという山添さんは「粗大ごみに向き合うようになると、日々“なぜこれが棄てられているんだろう”という疑問にぶつかります。そうしたなかで、どうにかできないかという思いはサービス開始前からあった」と振り返る。

「通常のリサイクルショップさんだと、物によっては買取りを拒否されることもありますし、こちらが持ち込んで売るというのも手間がかかります。メルカリではこちらの裁量で出品ができるがメリット。もちろん、自治体がやっているという安心感を裏切らないように、丁寧に選別を行ない、拭き取りなどを行なったうえで出品しています。

 また、三島市がやっているメルカリでは発送はせず、メルカリで購入したら引き取りにきてもらうシステム。現物を実際に確認していただき、その場でキャンセルすることも可能です」(前同)

※画像はメルカリグループの政策企画アカウント「merpoli(メルポリ)」の公式X『@merpoli_jp』より