■不二家も「半解凍」がウリのスイーツ自販機を投入

 業界内でも一目置かれる『ショートケーキ缶』自販機の成功。これを受けてか、他社でも追随する動きが出始めている。オリジナルキャラクター・ペコちゃんで知られる老舗の不二家は、23年から冷凍スイーツ自販機『FUJIYA CAKE’s STAND』の展開を始めたという。

「不二家洋菓子店・不二家レストランの一部店舗での展開で、東京・埼玉・神奈川・千葉の4県を中心に、札幌工場直売所などでも設置されているようです」(前出の太田氏)

不二家レストランなどに設置されている冷凍スイーツ自販機  撮影/編集部

 こちらは、『ショートケーキ缶』のような見た目の『スイーツボトル』(各600円)が『ショートケーキ』『ハイカカオチョコレートのケーキ』『ブルーベリー&チーズクリームケーキ』『モンブラン』と4種のフレーバーで展開。通常のケーキも『ショートケーキ』『ハイカカオチョコレートのケーキ』2種が2個セット(各500円)で販売されているほか、マカロン3種セット(600円)、シュークリームの2個セット(450円)なども用意されている。

「不二家の冷凍スイーツ自販機は半解凍状態のクリームを使用しているのがポイント。半解凍状態だとアイスのような味わいですが、冷蔵温度ではチルドデザートとしても楽しめます。ショートケーキの『スイーツボトル』を半解凍で食べてみると、イチゴの甘酸っぱさが引き立つアイスケーキのような感じになり、ひんやり&さっぱりしていて美味しい。これから暖かくなってくると、ますます需要が増えそうです」(前同)

ショートケーキの『スイーツボトル』。こちらもスプーンは付く 撮影/編集部

 売り切れていなければ24時間いつでも購入することができるというスイーツ自販機。「自販機=ドリンクを買うもの」という固定観念は、10年後には消え去っているかもしれない。

太田まき子
新潟県出身。大学卒業後、広告会社及びマーケティング会社にて女性向け商材のプロモーション、ファッションカルチャーイベントの企画運営、エンタメ系の広報などを担当。現在はトレンドのマーケティングやリサーチを行なう。