■故・菅原文太主演の映画『トラック野郎』のロケ地も

 複数のトラッカーだけでなく、『街道のグルメ』(辰巳出版)などの著書がある、大衆食ライターの刈部山本氏も薦めるのが『二本松バイパスドライブイン』(福島県)の煮込みホルモン定食。

「濃厚なみそ味の煮込みに、冷奴などの小鉢、ごはん、汁ものがついて大満足。店は24時間営業で、畳張りの大きな座敷やサウナ、風呂を完備。食後は休憩もできて、運転手にとってオアシスのような場所でした」

 トラッカーにおいて、この休憩場所は死活問題。「労働時間の問題を言うなら、きちんと休憩できる場所が欲しい」(前出の石戸さん)や、「トラックが停まれないパーキングエリアがある」(木材を運ぶ中村さん)などの声が上がっていた。

 ちなみに、同店は“バイドラ”の愛称で親しまれ、あの名優も訪れたという。

「故・菅原文太主演の映画『トラック野郎』のロケ地に選ばれたことがあり、撮影時には、店の駐車場に約30台の大型トラックが並んだそう。トラッカーの聖地といわれています」(前出のグラビア編集者)

 この映画『トラック野郎』は多くの後進に影響を与えている。「子供の頃、おじさんに見せられて憧れた」(ルートは北海道から愛媛までの黒田さん)、「シリーズ3作目『望郷一番星』の宮城縣の葬式シーンがグッとくる」(前出の中村さん)他、熱い回答が多数寄せられた。

 関東地方からは、『不二ドライブイン』(埼玉県)の日替わり定食を選定。

「昭和39年の創業で、現存する日本最古のドライブインといわれています。一番人気の日替わり定食は、ごはんと麺類の両方を1人前ずつ食べられるのが特徴。私が行ったときは、天ぷらと惣菜の小鉢がセットになったごはんの定食に、鴨南蛮うどんが付いていました」(前出の刈部氏)