戦後を明るく照らした歌手・福来スズ子を趣里(33)が演じる、NHK朝ドラ『ブギウギ』(月~土曜あさ8時から)は、物語の終盤を迎えようとしているが、今ひとつ盛り上がりに欠けてピリッとしない。この沈滞を救うのは、やはりあの人気キャラの再登場だろう。

 週間世帯視聴率は、大ヒット曲を披露した第19週「東京ブギウギ」が16.5%と最高記録を更新したが、続く第20週「ワテかて必死や」の月曜日(92回)で14.7%といきなりダウン。さらに、第21週「あなたが笑えば、私も笑う」は週間世帯視聴率が15.7%と、第14週「戦火とうた」以来の15%台となった。

 その後、なんとか16%台に戻したものの、3月4~8日放送の第23週「マミーのマミーや」の107回で再び15.5%にダウン。2020年代の朝ドラで最低記録となった、福原遥(25)主演の『舞いあがれ!』が全話世帯視聴率が15.6%なので、これはかなり危ない数字と言えるだろう。

 低調の理由は明らかで、最近はエピソードが小粒なのだ。内縁の夫・愛助(水上恒司/24)が亡くなってから、映画出演、茨田りつ子(菊地凛子/43) との対立と和解、愛助の母・トミ(小雪/47)の死と続いたが、それぞれのエピソードは短く、大きな盛り上ががなかった。

 また、『ブギウギ』の魅力は音楽で、「買い物ブギ」などで盛り上げたが、最近はそれよりも人間関係が主に描かれてきた。どうにも地味な印象を与えてしまっているのだが、今後の逆転は可能だろうか。