■坂口安吾が愛した「ゴールデンフィズ」 家でできる簡単レシピを実演

シェイカーがなくても簡単に作れる「ゴールデンフィズ」  撮影/編集部

 様々なお酒の飲み方を教えてくれるバーテンダーの開さん。そんな開さんが、老舗バー『ルパン』ならではのジンのメニューとしてイチ押しするのは、『堕落論』などの代表作がある坂口安吾も愛した生の黄身を使ったカクテル・ゴールデンフィズだ。家でカフェラテやカプチーノを飲む際にミルクを泡立てるのに使うミルクフォーマーがあれば、ゴールデンフィズも自宅で手軽に作れるカクテルだという。

「昭和40年代頃に、『コンパ』と呼ばれるスナックみたいな居酒屋の形態が流行ったのよ。そこでよく飲まれていたのが“なんとかフィズ”。フィズって、つまり炭酸を使った飲み物のことで、ジンフィズ、カカオフェズ、ピーチフィズなどいろいろあったんだよね。

 そこで人気だったのがジンフィズで、ジンにレモンジュースとシロップを入れてシェイクし、ソーダを注いだもの。ゴールデンフィズは、ジンフィズに卵黄が入った応用編だね」(前出の開さん)

 用意するものはジン、レモンジュース、シロップ、卵黄、炭酸水。作り方は炭酸水以外の全部をグラスに入れたらミルクフォーマーで泡立て、最後に炭酸水を注ぐだけ。

「生卵を飲むというとギョッとするかもしれないけど、空気が入ることでまろやかになるし、コクと味わいが出る。うちの店でも”元気が出る”といって、ファンも多いよ。卵白が勿体ない? 卵白パターンのシルバーフィズもあって、レシピの卵黄を卵白に変えるだけ。ミルクフォーマーは100円均一ショップでも売ってるよ」(前同)

 なお、ジンは常温保存でOK。ただし香りを楽しむお酒であることから、「密封」しておくことは肝要とのことだ。