イギリス公共放送のBBCがジャニー喜多川氏(享年87)の加害問題に焦点を当てたドキュメンタリー『J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル(原題:Predator:The Secret Scandal of J-Pop)』を放送してから1年が経過したが、同問題はいまだに波紋を広げ続けている――。

 旧ジャニーズ事務所は2023年9月と10月に記者会見を行ない、加害があったと認めたうえ、被害者への補償のみを行なうSMILE-UP.を設立。タレントのマネジメントを行なう新会社・STARTO ENTERTAINMENTも4月から本格始動する見込みだ。

 そんな中、3月18日にはジャニー氏からの被害を実名で告発した元ジャニーズJr.の二本樹顕理氏(40)の“その後”に迫った番組『事件の涙』(NHK総合、夜11時~)が放送される。

 2023年5月の『クローズアップ現代』(NHK総合)では「“誰も助けてくれなかった” 告白・ジャニーズと性加害問題」を放送。1996年にジャニーズ事務所に入所した元Jr.の二本樹氏は13歳当時に被害に遭ったと話し、時間が経った今もトラウマのような症状に苦しんでいると告白。

 これまで声を上げてこなかったことについては、被害者の声が揉み消されてきた印象があったとし、「仮に声を上げたとしてもどこにも届かなかったんじゃないか。城壁に向かって小石を投げるようなものじゃないか」と、当時の心情を語った。

※画像は「BBCニュース広報局」の公式X(ツイッター)『@BBCNewsPRJapan』より

 3月18日放送の『事件の涙』の説明には、

《長年の沈黙が破られたジャニー喜多川氏による性加害問題。去年5月、NHKの番組で実名で被害を告白した元ジャニーズジュニアの二本樹顕理さんは「性暴力がどれだけ人を傷つけるのか知ってほしい」とその後の継続取材も受け入れた。

 カメラを向ける日々の中で見えてきたのは“魂の殺人”とも言われる性被害の深刻な影響。そして、誹謗中傷に遭いながらも自分自身と向き合おうとする壮絶な姿だった。声をあげたその先にあったのは》

 と書かれている。