■“奇跡の企画”を産み出したのは――

 そんな『新しいカギ』だが、当初はコント番組としてスタートし、現在のスタイルに路線変更になったという経緯がある。

「コントの枠は残っていますが、現在は『学校かくれんぼ』や高校生、教師を巻き込んだ企画が主になっていますよね。それというのも番組初期、金曜日夜8時枠の頃にやっていたコントが、“つまらない”という声が多数寄せられる状態で、数字も全く取れなかったからです。

 21年10月に現在の土曜のゴールデン帯に移りましたが、やはりコア視聴率が1%台を記録するなど“打ち切り待ったなし”の状況が続き、“次のSP放送で結果が出なかったら終わり”などと当時、言われていたそうです」(前出の民放キー局関係者)

※画像は『新しいカギ』の公式X『@atarashiikagi』より

 そんな絶体絶命の状況にあった『新しいカギ』で、22年11月12日放送回に初登場したのが、「学校かくれんぼ」だった。これが大当たり。大人気を博したため、瞬く間に番組人気が上昇したのである。

 打ち切りが寸前だったのが一転、局の看板バラエティにまでなった番組を牽引した“奇跡の企画”『学校かくれんぼ』は、どのように誕生したのかーー。前出の民放キー局関係者は話す。

「『新しいカギ』に初期から参加している構成作家さんが発案したのが始まりだったと言われています。コント番組路線が上手くいかなくて、起死回生の策はないか、このままでは打ち切りになってしまう――という崖っぷちのタイミングで、『学校かくれんぼ』企画が出てきたと。

 企画を提案した作家さんは、他の業界を経て現在、作家業を中心にしている方。作家業以外にも仕事を持っており、“テレビマニア”ではないバランス感覚に優れた方です。

 他の業界のことにも精通している人なので、最初からテレビ一筋で働いていたテレビマン、作家とは違う視点でアイデアを出せると評価されていますね。『学校かくれんぼ』も、普通のバラエティ制作の人ではなかなか思いかないですよ」