「終わり良ければすべて良し」という言葉があるが、連続ドラマにも同じことが言えるだろう。

「最終回の出来が良ければ、数字的にイマイチだった作品も良い印象を持って終われますし、良くなければ、初回から面白かったドラマも残念な評価になりますよね。

 この1月クールも多くの連続ドラマが放送されましたが、そのなかでも“がっかり最終回”とも言える終わり方をしてしまった作品が2作あります。どちらも酷評まではいかず、評価の声もありますが……テレビ界が最重要視している13~49歳のコア視聴率もがっかりな感じでしたね」(制作会社関係者=以下同)

「最終回がっかりドラマ」1つ目は、永野芽郁(24)主演、山田裕貴(33)が相手役の『君が心をくれたから』(フジテレビ系)。最終回(3月18日放送)のコア視聴率は2.5%だった(関東地区/ビデオリサーチ調べ)。放送枠が天下の「月9」枠でもあり、非常に寂しい数字と言える。

「1月クールで、最終回のコア視聴率が最も高かった作品は櫻井翔さん(42)主演の『新空港占拠』(日本テレビ系/土曜夜10時~)。同ドラマの最終回は4.1%だったので、『君ここ』はそのおよそ半分。本作は序盤から最終回直前まで重く苦しい展開が続いたことも影響したのか、低視聴率の作品となってしまいました」

※画像は『君ここ』の公式X(旧ツイッター)『@kimikoko_fujitv』より

【以下、『君ここ』最終回までのネタバレを含みます】

『君ここ』は、思い人・朝野太陽(山田)の命を救うべく、主人公の逢原雨(永野)が五感を差し出す、というファンタジーラブストーリー。味覚、嗅覚、触覚、視覚、聴覚が次々と失われていく重い辛い展開がずっと続く作品だったが、さらに最終回が衝撃的だった。

「一般的に連ドラの重苦しい展開は、最後の最後でハッピーエンドを迎えるための布石になることが多いですよね。『君ここ』もラスト、ご都合主義的な展開でも雨が五感を取り戻して2人が幸せに暮らすハッピーエンドを迎えるとか、そうでなくても雨と太陽が大変でも2人で支え合って生きていくとか、そういった展開になると考える視聴者は多かった。

 ところが、『君ここ』の最終回は、太陽(山田)が死ぬことで雨(永野)は五感を取り戻すというオチだった。太陽は満足して死を受け入れ、五感が戻った雨は太陽のためにパティシエの夢を叶える――登場人物にとっては、心の整理をつけたハッピーエンドだったかもですが、視聴者目線ではとても100%のハッピーエンドとは言い難い結末でした」