■日本車人気はなぜ
「トヨタ自動車は、今期の純利益計画が過去最高の4.5兆円。24年の世界生産台数も約1040万台を計画しており、実現すれば、2年連続で年間生産台数の最高記録を更新します」(前出の経済誌記者)
新車輸出台数に関しては、23年に中国が日本を抜いて世界首位に立ったが、
「日本は依然として高い技術力を誇っている。新車輸出台数で、日本が再びトップに返り咲くのは間違いないでしょう」(前出の杉村氏)
人気はトヨタの新車だけではない。日本の中古車市場にも変化が起こっている。
「10年前は、中古車販売のオークションで外国人バイヤーの姿は多くても1割ほどでしたが、今は、ほぼ半数を占めています」
こう言うのは、埼玉県内で中古車販売業を営む「ワンオーワン」の逆井則彦代表だ。続けて、
「円安だけでなく、外国人の場合、消費税分が還付されるといった影響もあるんでしょうが、根本には日本車の品質の高さが関係していると思います」
品質と言えば、日本独自の整備点検システムも影響しているようだ。
「売り手は車検や点検済みのステッカーを貼ったまま、出荷します。海外の買い手は、この“保障”を剥がさず、日本から輸入した車両であることをアピールするんです」(中古車バイヤー)
燃費が良くて頑丈な日本の中古車は、海外で絶大な信頼を得ている。
「特に軽トラの人気がすごいですね。先日のオークションでは、10年前に製造され、走行距離が13万キロに達した車が、約18万円で売れました」(前出の逆井氏)