■キー局Pが指摘する「朝ドラが見られ続ける理由」

 民放局は完全に白旗を上げるというNHK朝ドラ。前出の鎮目氏は「高視聴率の理由は2つある」と話す。

「1つは視聴習慣が根付いているから。やはり、長年続いている番組というのは固定ファンを獲得します。長年、朝ドラを見続けている人の中には、“朝ドラを見ないと1日が始まらない”という人もいるでしょう。出勤前のアラート代わりに朝ドラを見るという人だっていると思います。こうなると番組離れはなかなか起きません」(鎮目氏)

 朝ドラの変わらぬ高視聴率の2つ目の理由として鎮目氏が挙げるのは、番組放送時間の短さだ。

「15分とドラマとしては非常に短い放送時間。それでも、その中で山場を作り、視聴者に翌日も見たいと思わせる必要がある。すると、番組のテンポも必然的に良くなるのです」(前同)

 また、15分という短い放送時間は、「映像業界におけるヒットの法則を先取りしていた」と鎮目氏は指摘する。

「今、中国では動画配信サービスで1分間の超ショートドラマが流行っています。日本でも朝の情報番組『めざましテレビ』(フジテレビ系)で、アニメ『ちいかわ』が放送されてヒットしているでしょう。『ちいかわ』も放送時間が1分半と、とにかく短い。忙しい現代人は1時間もテレビの前に座っていられないですし、短い放送時間でテンポが良い物語というのは映像業界におけるヒットの条件になっているのです」(同)

※画像は「ちいかわ」の公式X(旧ツイッター)『@ngnchiikawa』より