■住田弁護士に強烈なインパクトを与えた「三淵所長」

 かつて『行列のできる法律相談所』(現『行列のできる相談所』/日本テレビ系)で”史上最強の弁護士軍団“メンバーの1人として活躍。数多くの情報番組にも出演し、現在では『かんさい情報ネットten.』(読売テレビ)でコメンテーターを務める住田裕子弁護士は、司法試験合格後の司法修習生時代に、『虎に翼』の寅子のモデルである三淵さんと会ったことがあるという。弊サイトの取材に対して住田弁護士が、その人柄を振り返る。

「司法修習地は浦和で、修習先の一つである家庭裁判所に三淵所長がおられたのです。裁判所の所長は男性ばかり。噂にお聞きしていた三淵所長にお会いできて、大感激でした。

 挨拶にうかがうと、夏だったこともあって、堅苦しいスーツではなく、ふんわりとしたワンピース姿。大振りのお帽子が壁にかけてあり、ステキ、おしゃれ……と、うれしくなったのを今も覚えています。優しい言葉をかけていただき、ニッコリとほほ笑まれたお顔がまた柔和でね」(住田弁護士)

 女性初の裁判所長となった三淵さんだが、”男まさり”なタイプではなかったと住田弁護士は述懐する。

「女が法曹界で生きるためには、いわゆる“男まさり”という言葉どおりでないとやっていけない時代もあったんです。当時は“男性以上に男性的”という厳しい姿勢の方も多く、その後、男女平等が叫ばれるようになってからも、男性と同等に渡り合おうとするためか、相変わらず女を捨てるような、いかついイメージの方もけっこういらっしゃいました。

 一方で、三淵所長は(法曹界で女性が活躍する)草分けでありながら、肩肘張らずに自然体。周囲からも一目おかれる存在でした。人としても女性としても魅力な方で、法律家の道を歩み始めた私にとって、強烈なインパクトでしたよ」(前同)