■「六月病」を引き起こす2つの背景

 前出の木村医師は、六月病の背景にある1つ目の理由として「時間差」があると話す。

「GWにしっかり休養をとるよりも、疲れにそこまで向き合わずになんとなく突っ走ってしまった人。他にも、GWは休んだんだけどなんだかまだ疲れが残っているというような人が、仕事を続けているうちに六月病になるという例もあります。

“時間差”があるケースですね。GW明けすぐに症状が出る人もいれば、GW明けの数週間はだましだまし過ごし、6月になるともう頑張れなくなってしまうという人もいます」(木村医師)

 もう一つの理由は「日照時間」だと言う。

「梅雨のシーズンに入る6月は、実は年間でも日照時間が短い月です。気圧が低い日も多く、自律神経が乱れた結果“気象病”として頭痛やだるさをおぼえやすくなります。加えて、日照時間の短さは気分の落ち込みにも影響します。

 日照時間が短くなると、精神を安定させる脳内神経伝達物質で、“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンの分泌が減少し、抑うつを引き起こしやすくなります。時間差と気候のダブルで、“六月病”がくるわけです」(前同)

 木村医師は「例年5月から6月にかけて不調を訴える会社員の方は増える」という。

「病院に行くべきかどうかまで判断がつかないけど、”最近ちょっとしんどい”、”体がだるい”といった相談は多くなります」(同)