■トレンドアナリストも注目するグルメバーガー最前線

 伊勢丹新宿本店内で期間限定店舗を出店していたハンバーガー店は全部で5店舗。都内の店舗のみならず、なかには神奈川や金沢から出店しているハンバーガー店もあった。そんなグルメバーガーの最前線リアルを、現地に訪れた前出の太田氏が話す。

「1番人気は平日の昼間でも10人以上の人が並んでいた『SHOGUN BURGER』。ベトナムにも出店する『SHOGUN BURGER』の売りは店名の通り、和テイストを感じさせるハンバーガーです。

 目玉は伊勢丹限定で販売された『すき焼きバーガー』(税込・2750円・イートイン価格・以下同)。温泉卵をソースに混ぜて、バンズの上からぶっかけて食べるスタイルは、すき焼きそのもの。バンズの間に挟まったネギや天ぷらとパティのバランスが絶妙でしたね」(太田氏)

温泉卵ソースをかけて食べる『すき焼きバーガー』 撮影/編集部

 見た目にもインパクトがある『SHOGUN BURGER』だが、それに負けないインパクトを来店客に与えたのは、ハンバーガー激戦区・渋谷に店を構える『Chillmatic』。野菜を挟まず、熟成肉とバンズだけで勝負するそのスタイルは男性陣からの支持が高いという。

「商品名に店舗の名前を冠した『チルマティックチーズバーガー ダブル』(3190円)はボリューム満点。一口食べると口中を肉汁がジュワっと広がります。粒マスタードとチーズはバンズからこぼれ落ちそうで、見た目にもインパクト十分。SNSウケしそうです」(前同)

 一方、海の幸を活かしたハンバーガーを売り出した店もある。海老カツバーガー専門店として神奈川県・川崎市内で店舗を出す『MaDelica』だ。

「分厚い海老カツがメインとなる『和風海老カツバーガー』(1509円)が看板メニュー。ソースには秋田名物のいぶりがっこを使用したタルタルソースを使っており、スモーキーでパンチがある。それでも不思議とグイグイ食べられるので、女性にもオススメですね」(同)

いぶりがっこタルタルソースを使った『和風海老カツバーガー』 撮影/編集部

 ファストフードとはまったく異なるグルメバーガーが今、大きな盛り上がりを見せている。アメリカから伝わった食文化が、日本で熟成され新たなものに生まれ変わって世に出ていく――現在、日本の美食を味わいに来る訪日外国人は多いが、彼らをトリコにする逸品がまた生まれているようだ。

太田まき子
新潟県出身。大学卒業後、広告会社及びマーケティング会社にて女性向け商材のプロモーション、ファッションカルチャーイベントの企画運営、エンタメ系の広報PRなどを担当。現在はフリーランスのPRとして、トレンドのマーケティングやリサーチを行う。