■艦上での娯楽「これまで」と「これから」
今回、スターリンクアンテナを海自が保有する練習艦に搭載した試験訓練で、海上でも隊員がストレスなくインターネット利用ができる環境が整備されたと証明できれば、海上で隊員はメールはもちろんLINE通話やSNS、動画サービスの視聴も自由にできるようになるそうだ。「1日メール2通しか利用できない」環境からは革命とも言える大きな変化。
「これまで鑑上での娯楽といえば本を読んだり、DVDを視聴したりするものでしたが、そこに動画閲覧などが加われば、娯楽の選択肢は大きく広がります。
今回、スターリンクアンテナ搭載による練習艦でのネット利用においては時間や回数などに制限は設けず、一旦自由。ですが、これは“実証試験”という目的があるため。無制限に接続していて他に不具合が発生しないか、インターネットをどこまで使ってもいいのかといったことを模索しながら、ノウハウを得ようという趣旨があります」(前出の海上幕僚監部広報室の吉田三佐)
この取り組みが順調に進めば、今後3年間で海上自衛隊が保有する9割の艦艇へと海上ネット無制限利用の導入を進める計画とのこと。吉田三佐によれば、『かしま』の幹部は「デジタルネイティブにとって携帯は“当たり前”。“当たり前”の環境を整えるのは、今後の隊員の確保について重要」だと話しているという。
人材確保にはどこの組織もあの手この手。海上自衛隊の方針は吉と出るか。