■『ちむどんどん』の悪夢は払拭できず

 そして、水10ドラマ『スタンドUPスタート』(フジテレビ系)は、竜星涼(29)主演で同名コミックが原作。自称“人間投資家”として、さまざまな事情を抱えた訳アリ人材へ投資する投資会社「サンシャインファンド」の社長・三星大陽が主人公の人間再生ドラマだ。

 一度失敗した人間が再チャレンジする、スカッとした展開を期待されたが、毎回、人情劇的な展開で、物語が小さくまとまりすぎているという印象。また、小泉孝太郎(44)や反町隆史(49)ら、大企業のイケオジ軍団との対決も期待されたが、なかなか本筋として動かなかったのも惜しい。

 同局系連続ドラマ初主演となる竜星は、NHK朝ドラ『ちむどんどん』で演じた、“ニーニー”こと賢秀の言動が「史上最悪のダメ兄」などと不評で、そのイメージを払拭することが期待されていた。これも、平均世帯視聴率が3%台に落ち込んでいるようでは、どんなに熱演しても世間には届かないだろう。

 各ドラマの視聴率は伸び悩み、それぞれが「時すでに遅し」の状態。それでも、過去に後半戦で盛り返した作品も少なくないので、予想を覆す衝撃の展開や、豪華な追加キャストなど、起死回生を期待したい。(ドラマライター/ヤマカワ)