■なぜ『バチェロレッテ』は「気持ちがいい」のか

 ただし、「女性側を取り巻く社会環境に、理想と現実のギャップがある」と前出の世代・トレンド評論家の牛窪氏は続ける。

「男女平等の教育がいきわたり、女性が男性をリードする、高収入を得るといったことがおかしくない世の中になる一方で、現実として置き換えると“自分にはできない”、あるいは社会がそれを許してくれないというギャップがあるのが現実です。

『バチェロレッテ』で展開されている女性優位、女性がパートナーに相応しい男性を選ぶという状況は、女性にとって“そうだよね、もうそういう時代だよね”という世界。それがフィクションではなく現実にいる人たちが繰り広げるリアリティ番組なので、より女性が見ていて溜飲が下がる、気持ちいい部分があるのでしょう」(牛窪氏)

 ゲーム性とリアルがないまぜになり、女性たちの心をつかむ『バチェロレッテ』。

 今の時代における真実の愛とは何か――視聴者も番組を通して見つけられるか。

牛窪恵
立教大学大学院(MBA)客員教授。同志社大学・ビッグデータ解析研究会メンバー。
著書に『男が知らない「おひとりさま」マーケット』『独身王子に聞け!』(ともに日本経済新聞出版社)、『恋愛しない若者たち』(ディスカヴァー21)、『恋愛結婚の終焉』(光文社)等多数。NHK総合『所さん!事件ですよ』、フジテレビ『ホンマでっか!?TV』ほか、テレビ番組のコメンテーターとしても活躍中。