「高知東生」の名前から何を思い浮かべるだろうか。Vシネマや地上波ドラマでバイプレイヤーとして活躍していた俳優、あるいは薬物事件で逮捕された元芸能人。あるいは、ツイッターで自身の体験に基づく依存症からの回復の情報発信をしている人、と思う人もいるかもしれない。繰り返し「自分を愛すること」の大切さを語る、高知がいま考えていることとはーー。
【第3回/全4回】
高知さんは幼少期、母の兄である伯父一家のもとに預けられていた。「祖母だけは味方になってくれた」と語る高知さんだが、当時の思い出は楽しいことばかりではなかった。
ーー高知さんが伯父の一家に預けられていた幼少期、何度も冗談で“捨てるぞ”と言われたことがあると伺いましたが、それはどういった状況での発言だったのでしょうか?
悪さをするというよりは、”俺もケーキ食べたい”、”俺もすき焼き食べたい”とかそんなことですよ。伯父一家は食べているのに、なんで自分だけ食べられないのかなと思って泣くとか。でも、そこでばあちゃんが俺をなだめてくれて。すき焼きは食べさせてくれなかったけど、一生懸命俺の大好きなきなこもちを作ってくれて、"このきなこもち食べるか”って言ってくれた。もうそうなると、”きなこもち”って聞いただけで"うん”って言うようになって。
必ず何かをやってくれたというより、ばあちゃんはいつも俺のそばにいてくれましたね。唯一の味方だと思ってたし、僕は大好きでしたね。