■「俺に足りなかったのは真実」親の隠し事が子に与える影響
――1月25日に〈自伝的小説を書いて思ったけど、出生の事情を親が隠している場合って、後ろめたさや、真実を伝えて傷つけたくないという気持ちもあるだろうけど、いずれ大人になればわかること。親が真実を真摯に話してくれたら案外子どもは受け入れられる気がする。隠されると人を信じられない大人になる。俺みたいに〉とツイートされていましたが、周囲にいた大人について高知さんがどう思っているのか詳しく聞きたいです。
大人には大人の都合があるので、真実を子どもに隠すのはそれも1つの優しさなのか、愛情の表現なのかはわからない。今だから、”俺が同じ立場だったらどうするかな"と思うこともありますけど、未だに答えは出ないですね。
自分が逮捕された後、依存症からの回復プログラムを通して自分を振り返ると、“育て方が普通ではなかったけど、実は母なりに俺を愛してくれてたんだな”と気づきました。
母と同じ時代を経た人が生きててくれて、その方から“母は俺のことを自慢の息子だと話していて、飲めない酒も飲んで頑張って毎日働いていた”ってことを聞いた時に俺は嬉しかったし、“俺は愛されてたんだ“と思いました。
俺に足りなかったのは、真実。でも、自分に向き合って振り返った時にどんどん真実が出てきた時に、“お前、自分の思い込みや妄想、寂しさを抱えてそんな中でよく頑張ってきたな”と自分のことを赦せるようになった。そんな状況だと色々なことも起きるし、間違いも起きるよなって気づくことができました。