大手牛丼チェーンの松屋が7月23日から『山形だしわさびとろろ牛めし』の販売を開始した。3年ぶりの復活だ。
このように、昔懐かしの郷土料理や、ご当地B級フードなどを全国展開のチェーン店で手軽に食べられる機会は意外と多い。
今回は、日本各地を食べ歩いた“元祖B級グルメライター”の田沢竜次氏のコメントを交えつつ、全国チェーンの飲食店で食べられるご当地フードオススメ5選を紹介したい。
■3年ぶりに復活した松屋の新メニュー
まずは、松屋が復活させた『山形だしわさびとろろ牛めし』(税込み680円=並盛)。
「山形だし」とは、細かく刻んだキュウリやナスなどの夏野菜にミョウガや青じそ、ネギなどの香草や香味野菜を和えて味付けした、山形県の夏の定番料理だ。
これが松屋の『牛めし』にトッピングしてあるのが当メニュー。とろろと、別添のわさびを合わせてサッパリと食べられる。必ずしも全国区の知名度とはいえない「山形だし」だが、そこに意味がありそうだ。
「松屋は以前、SNSで話題になったジョージア料理『シュクメルリ鍋定食』のように、ときどき意外性のあるメニューを投入する傾向があります。今回の『山形だしわさびとろろ牛めし』にしても、“どんな味なんだろう?”という気にさせてくれます」(田沢氏=以下同)
■吉野家の夏定番メニューにぴったりの汁物
続く吉野家は、夏定番の『牛皿麦とろ御膳』(税込み767円)を提供。牛皿と、もち麦を加えたご飯、とろろとオクラ、そしてみそ汁のセットである。
注目すべきは、オプションでたっぷりのすり胡麻と絹豆腐が入った「冷汁」(税込み217円 ※御膳のみそ汁から変更の場合は税込み132円)をみそ汁の代わりにチョイスできることだ。冷汁は宮崎県に伝わる郷土料理で、埼玉や山形にも同様の料理が伝承されている。
「宮崎の冷汁は、冷たい汁を冷たいご飯にぶっかけて食べるものです。吉野家のご飯は温かいですし、あくまで“吉野家流”ではありますが、ごまの風味が香ばしく、なかなかの美味でした。冷汁は単品でも注文できるので、蒸し暑い季節、牛丼のお供にみそ汁ではなく冷汁を選ぶのはアリでしょう」
天丼てんやは夏季限定で、地域色の強い『たれづけ大江戸天丼』(税込み950円)を用意する。
これは、活〆穴子、大いか、海老などの天ぷらを、甘辛たれにたっぷりくぐらせご飯にのせたもの。穴子は夏が旬の“江戸前天ぷらのエース格”。“江戸の夏”を感じることができる。
活〆というのは、鮮度が保ちうま味を引き出す処理方法。穴子の身も大きく、食べ応え十分なのでかなりオススメである。