1993年から99年にかけて『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された人気漫画『地獄先生ぬ~べ~』(原作:真倉翔・作画:岡野剛)。高い人気から96年から97年にかけてはアニメも放送された。そんな本作は、25年に再びテレビアニメ化されることが7月21日に発表されたばかりだ。

 人気作の“再アニメ化”の話題に、SNS上では《最近再アニメ化多くない?》《アニメ業界もネタ切れなのかな?》といった声も相次いでいる。元々の『ぬ~べ~』ファンからは《嬉しい限り》と、再アニメ化を歓迎する声が寄せられているが、近年、過去の人気アニメの再アニメ化の発表が業界内で相次いでいるのは事実だ。

「24年10月から、日本テレビ系列で再度アニメ化されるのは高橋留美子さんの代表作である『らんま1/2』(初代アニメ放送は89年~92年)。その他、ここ3か月だけで青山剛昌さんによる『YAIBA』(同93年~94年、当時のアニメタイトルは『剣勇伝説YAIBA』)や、4人の女性漫画家集団・CLAMPの『魔法騎士レイアース』(同94年~95年)、池田理代子さんの名作『ベルサイユのばら』(同79年~80年、劇場版90年)と、3作品もの再アニメ化が発表されています」(テレビ誌編集者)

 過去の人気作品のリメイクが相次ぐ背景には、何があるのか――。弊サイトは、アニメ関連の講師やライターとして活動する、いしじまえいわ氏に話を聞いた。

 まず、“実際にリメイク作品は増えているのか”という点について。いしじまえいわ氏は「もともと、アニメはリメイクを繰り返しながら放送されてきたもの」だと言い、昨今のリメイク作品を実際に数えてみたという。

「テレビアニメの歴史は63年に放送された『鉄腕アトム』から始まりました。たとえば『ゲゲゲの鬼太郎』『パーマン』『オバケのQ太郎』など80年代に人気を博したアニメも、当時の子供たちの多くが知らなかっただけで、すでにテレビアニメ黎明期だった60年代に最初のアニメが放送されていたんですよね」(いしじまえいわ氏)

 では、最近のリメイク作品事情はどの様に変化しているのか。

「2020年から現在までの5年弱の間にリメイクされたテレビアニメシリーズ作品は、81年から初作が放送された『うる星やつら』(リメイク版は22年)、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(96年に初テレビアニメ化、23年にリメイク版を放送)など約10本。

 それと比べて、90年代のリメイク作品は、『平成天才バカボン』(90年、『天才バカボン』71年、『元祖天才バカボン』75年)、『キャプテン翼J』(94年、第一作目となる『キャプテン翼』は83年)など10年間で10本ぐらいとほぼ同数なのです。

 10年で10本が5年弱で10本になっているので、数だけ見るとたしかにリメイク作品数は増加しています。ですがテレビアニメの制作本数自体が増えていることを考慮すると、業界内で割合としてリメイク比率が上がっているわけではありません」(前同)