■アメリカでは“食べられる”大麻が大問題

 近年では大麻の品種改良や吸引デバイスの進化もあり、使用者がより大麻に溺れやすい環境が整いつつあるという。

「アメリカを中心に大麻の品種改良が進み、使用者に幻覚作用を与えるTHC(テトラヒドロカンナビノール)成分が高濃度で含まれた大麻草が開発、栽培されるようになりました。また、THC成分を濃縮し電子パイプで吸えるリキッド型の大麻も販売されています。

 他にもエディブル大麻と呼ばれる食用大麻まで出る始末。これは大麻クッキーや大麻グミと呼ばれる商品ですね。アメリカではペットや子どもが、エディブル大麻を食べた結果、意識混濁を起こして緊急搬送される事例が相次ぎ社会問題と化しています」(前出の瀬戸氏)

 大麻を使用し続けることで体に起こるデメリットにはどのようなものがあるのだろうか。

「大麻を体内へと摂取し続けた場合、アルコールを長期間、大量に飲み続けた人と同じような症状が見られます。集中力の欠如や、認知機能の劣化が顕著です」(前同)

 また、植物である大麻は使用するだけでなく、栽培をすることも容易なため、深みへとハマりやすいのだという。

「植物ですから栽培をすれば愛情も湧く。大麻を栽培している家のガサ入れ(家宅捜査)を行なった際に、被疑者が“この大麻草は光の当て方が……”と悲しげな顔で熱弁していましたよ。彼は英語の資料を翻訳してまで栽培法を学んでいましたね」(同)

 しかし、大麻が本当に恐ろしい理由は体内へと与える影響だけではないそうだ。

「大麻はゲートウェイドラッグ、エントリードラッグと呼ばれ、様々な薬物への入り口ともなっています。私の体感では大麻使用者の3割は、その後、覚醒剤やコカインなどより強力な薬物に手を出している印象です。覚醒剤で逮捕された人の再犯率は6割以上。覚醒剤に手を出すと違法薬物の世界から抜け出すのは相当難しい。大麻に若者がハマることの最大のリスクは違法薬物の世界から抜け出せなくなること、と言って良いでしょう」(同)