17日間に及ぶ熱戦に幕が閉じたパリ五輪。8月11日夜(日本時間12日未明)に行なわれた閉会式ではハリウッドスターのトム・クルーズ(62)が宙を飛ぶ演出を披露するなど大盛り上がりとなった。一方で、「多くの問題点も明らかになった五輪」と語るのはスポーツ紙の記者。

「SNS社会の影響からか、出場選手や審判への誹謗中傷が相次ぎました。柔道男子60キロ級の準決勝で審判による“待て”の後も永山竜樹選手(28)を相手に絞め技をかけ続け勝利したスペイン人選手のSNSへは、日本人ファンから“柔道をやる資格もありません”、“道着を脱げ。2度と柔道をするな”などキツいコメントが殺到。永山選手がメディアの取材に対して“納得がいかない部分はある”としながらも“誹謗中傷は控えて”と呼びかける異例の事態となりました」

 他にも柔道では女子52キロ級に出場し、2回戦で敗退した阿部詩選手(24)が誹謗中傷の被害に。

「敗戦後に畳の上から一歩も動かず数分間号泣する姿に“恥ずかしい。子どもでもないのに”などSNS上では心ない書き込みが多数寄せられました」(前同)

 SNS上の“攻撃”は他競技にも広がる。

「8月5日にイタリアとの準々決勝で敗れた男子バレーボール日本代表も誹謗中傷の被害を受けました。これを受けて川合俊一協会長は“アスリートに愛のある応援を”と誹謗中傷にノーを突きつけるメッセージを発したほどです」(同)

 平和の祭典であるはずの五輪に暗い影を落としたSNSでの誹謗中傷騒動。そんななか――8月28日から開幕するパリ2024パラリンピックへ出場するアーチェリー日本代表の重定知佳選手(41)が、パラ東京五輪の代表権を争った小野寺朝子選手(48)のブログへと誹謗中傷コメントを書き込んでいたことが発覚。

 小野寺選手が名誉を傷つけられたとして損害賠償を求めた訴訟の判決が8月6日に東京地裁であり、地裁は重定選手が名誉を傷つけたとしておよそ120万円の支払いを命じ、それはNHKや読売新聞、朝日新聞などの主要メディアでも大々的に取り上げられたのだ。