過酷な猛暑が続き、日中の外出を避けたくなるこの頃だが、東京・原宿は相変わらず盛況だ。外国人観光客の姿も目立つが、夏休みシーズンということもあってか、平日の昼間も若い男女や、親子連れなども多い。

 そんななか、原宿駅竹下口の近くで連日にわたって行列ができているのをご存知だろうか。その先にあるのは、『ベビタピトーキョー』という原宿らしいカラフルな色彩のタピオカ店。大阪アメリカ村にある『ベビタピ』の東京店として2021年10月にオープンしたのだが、いったい何が人気を呼んでいるのか。

 若者文化や流行の最先端に詳しいトレンドアナリストの太田まき子氏が解説する。

「同店は“笑顔のために今できる事”“ラッピースマイル”というキャッチコピーがあるとおり、店員の明るい接客が人気で、タピオカドリンクの容器にストローを刺す際に言う“ベピタッピ!”という掛け声も有名。ピンクを基調にした原宿らしいポップな内装も可愛いですが、なにより個性ある店員の存在が大きいですね」(太田氏)

 派手な髪色の店員たちとの交流が最大のセールスポイントとなっているわけだ。

「大阪が本店となる『ベビタピ』は、人気TikToker集団『フォーエイト48』に所属し、TikTokフォロワー数120万人を超える『永ennのアリス』さんが総監督を務めているだけあって、TikTokを中心としたSNSで集客。店員もTikTokクリエイターで、彼らのファンが店を訪れるという仕組みです」(前同)

 なかでも“看板娘”として人気が集中している女性がいるという。

「原宿系クリエイター、インフルエンサーのしなこさんですね。18年に多くのインフルエンサーが所属する事務所に入るなど、もともと原宿系YouTuberとして人気でしたが、『ベビタピトーキョー』ができる際に店長のオファーを受け、就任するとさらに人気が爆発。23年6月放送のTBS系『週刊さんまとマツコ』では若槻千夏さん(40)が“注目の次世代ギャル”として紹介したことも」(同)

 人気が爆発したきっかけはYouTubeで公開したASMR動画だという。

「当初は大食いや踊ってみた動画などで人気を集めていましたが、20年頃からさまざまなものを食べてその咀嚼音を聞かせるASMR動画が大バズりし、数百万回再生を連発。

 文房具そっくりのお菓子や、石鹸やスポンジに似せた手作り菓子を食べる動画もインパクト抜群でしたが、20年4月に公開した“青色のスイーツ”を食べる動画は1500万回再生を突破、この中で登場した地球型の『地球グミ』は一時売り切れになるほどの大反響を巻き起こしました。1年後には地球グミのみを食べるASMR動画も公開し、こちらは1800万回再生を突破しています」(同)