■「本当の出来事ではないか」と信じてしまいそうなリアル
らむ:どうやってあの雰囲気を撮っているんですか?本当はノンフィクションだったとかないですよね(笑)。
寺内:ははは(笑)。でもノンフィクション的な部分が入っていたりするかもしれません。実際のモノを混ぜたり、実際の出来事を再現したりもしています。
らむ:全部嘘をつくのって大変ですもんね。私もよく、ヤラセじゃないの?とか言われるんです。
でも嘘をつくほうが大変ですよ! 一度ついた嘘はつき通さなくてはいけない。それに比べたら、取材をして、そのままを書けばいいノンフィクションは楽なんです。たまにフィクションやるとものすごく頭をつかって大変ですよ。
寺内:なるほど。リアルな取材にこだわるらむさんらしい意見ですね。
らむ:嘘をついたら、その嘘を覚えていなくちゃいけないでしょう。でも忘れちゃうから、普段からなるべく嘘はつかないようにしています。その点、Qはフェイクだと謡っているのに、「本当の出来事ではないか」と信じる方がいそうなリアルさですよね。
寺内:ヤラセだ! この人役者じゃないか! と怒る人がたまにいますね(笑)。フェイクと書いているんですけど……。
らむ:私も銀色の服を着て、私はアンドロメダ星人だという設定で某番組に出たら、信じた人がいましたね(笑)。
寺内:実はQにおいてはそういう視聴者の皆さまが凄いというか、リアルに作り込んだとしても、「ここは実際と違う」と見破る方々がたくさんいるんです。その意見は参考にしていますね。
らむ:フィードバックしてるんですね。
寺内:次こそ見破られないよう、よりリアルになるよう、メンバー全員で参考にしています。
らむ:お金をかけてバーンと作るのではなく、内装や食器とか、本当に細かい所のリアルさを追求するのは、頭を使った作り方でいいですね。
寺内:視聴者の皆さまをナメてはいけません。むしろその期待に応えたいですね。
■「何が答えか」は、メンバーすら知らない
らむ:今回の新作動画『MOTHER』は、続編なしでこの一本なんですか?
寺内:はい、他のエピソードとリンクさせるかはまた別として、このワンエピソードで完成です。
らむ:いつか解決したりはしないんですね。何が真実かということも含めて、視聴者も考察するというわけですか。
寺内:そうですね。メンバーも考察を続けていますよ。もちろん答えは考えてあるのですが、「答えは1つではないのでは?」と我々の想像も続いていたりします。
らむ:意見が分かれそうですね。メンバー同士の役割分担ってあるんですか?
寺内:Qのメンバーは、私、皆口大地、福井鶴、遠藤香代子の4名だけです。役割分担は明らかにしていませんが、アシスタント的な役割の人はいません。4名の意見を尊重しながら形にするのがQの特徴ですね。
らむ:ストーリーは誰か一人が考えているんですか?
寺内:それも一切公表していません。匿名性があったほうがQらしくていいじゃないですか。
らむ:そうですね(笑)。