■気になる味、食べてみた人の反応は

 肉はモモとヒレを使い、ローストビーフ風に調理されている。食べてみると、淡白とも思えるほどクセのない赤身の旨味と醤油ベースの濃厚なタレがからみあうところへ、付け合わせのサラダやサワークリーム、黄身が口の中をさっぱり、あるいはまろやかにしてくれる。ダチョウ骨からとったガラスープはじんわりと滋養あふれる味わいで、五臓六腑に沁みわたる。

 ダチョウ肉メニューといってもさまざまな調理法が考えられるが、“ローストビーフ風”にしたことについて、前出の吉野家の担当者は、「オーストリッチミートのおいしさをダイレクトに感じられる調理方法であるローストを採用し、かつ、吉野家らしい丼の商品に仕立てました」と話す。

 健康志向が高い層の心には刺さるヘルシーメニュー。肉体美で知られる俳優のGACKT(51)もこの「オーストリッチ丼」には、

《マレーシアではオーストリッチ(=ダチョウ)も普通に食べる。 ボクも最初にオーストリッチを食べた時は「おいしい!これなんの肉だろう?」と、感動したのを覚えてる。 歯応えが良く、食感がたまらない。(中略)もし吉野家でダチョウ食べたら感想教えてくれ。》

 とX(旧ツイッター)上で反応し、前のめりに興味を示した。

※画像はGACKTの公式X(旧ツイッター)『@GACKT』より

 早速食べてみた人たちからは、

《獣臭は全くなく、薄切りですが食感が良く食べ応えがありました スパイシーなタレで、さっぱりと美味しかったです》
​《率直に言ってうまい》
《香味野菜や西洋わさびのおかげでダチョウ臭さが和らいで食べやすい》
​《スープが予想を超えた美味しさ》

 などとXには絶賛の投稿がなされているところだが、吉野家といえば「うまい、やすい、はやい」の三拍子があまりにも有名である。1500円超えは一般ユーザーからしてみればはっきり言って高額で、“ワンコイン牛丼”のイメージが強いファンにとっては衝撃的。《珍しい肉でこれは安い》と理解を示す声もあるものの、《値段エグい》《吉野家で1683円は高い》などのリアクションの声も続出している。

 では今後、吉野家は“安い”イメージの脱皮を図るのかといえば、前出の広報担当者は「そうではない」と強調する。

「吉野家の“うまい、やすい、はやい”が変わることはありません。また、125年守ってきた牛丼の味をこれからも守り磨いていく点も含め、主軸をぶれさせることは一切ありません」(前同)