8月末、ストーカー行為で逮捕された日本経済新聞の女性記者。相手は同業他社の既婚者の男性記者だったと報じられているが、この2人が連絡を取るために利用していたのが電子決済システムPayPayのチャット機能(以下、「PayPayチャット」)だったことも注目を集めている。
2018年10月にサービスを開始したPayPayは、スマホで簡単に支払いや送金ができる決済アプリで、PayPayチャットは21年3月に実装された機能。これまでに金銭のやり取りをしたことがある相手のほか、LINEや電話番号、PayPayID等で検索し、“友だち”追加することで、コミュニケーションが可能になった。
PayPay上に、金銭のやり取り以外にも使えるチャット機能が必要かどうかという議論はさておき、一部で“活用”されているのは事実のようだ。「元カレからPayPayチャットで連絡が来た時にはびっくりしました。その手があったのか、と……」と怯えた表情で話すのは、ネイリストのルカさん(25歳・仮名)である。
ルカさんが、当時の状況を振り返る。
「別れた理由は、彼氏の浮気です。自分は浮気するくせに束縛系の彼氏で、私はスマホの位置情報サービスアプリで居場所を常に把握されていました。アプリ上ではチャットもやっていましたよ。そこでは、“今どこ?”“何してるの?”というやり取りです。別れた後も“寂しい”とか“会える?”といった未練がましいLINEを送ってくるので、LINEはブロック、電話着信も拒否したばかりのことでした」(ルカさん)
元カレとの連絡手段はすべて絶ったと思っていたルカさん。しばらくして友人への支払いのためにPayPayを開くと、元カレからの“お誘い”メッセージが入っていたのだという。
「たしかに付き合っていた頃、食事代や遊びに行った時の割り勘の際にPayPayでやり取りをしていて、送金やお金を受け取る時にメッセージを送ることができるのは知っていましたし、実際使っていました。“この間の●●分のお金です、ありがとう!”みたいな感じです。
でも、お金が絡まない内容でPayPayでチャットをするという発想はなかったので、全然チェックしていなくて……。元カレからのメッセージをアプリ上で見つけた時には心臓が止まるかと思うほどビックリしました。元カレには新しい彼女がいるのに浮気を誘うような内容だったし、なんとかして連絡をとりたい、という執念を感じて怖かったです」(前同)