■STARTO社にとってスノは「切り札」

 SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)は、8月31日時点で約94%の被害者に補償金を支払ったことを発表するなど、救済・補償業務は着実に進行中。

 9月7日には、『ジャニーズ性加害問題当事者の会』が、「会として求めてきた大部分は達成できた」として、解散した。

 また、10月2日からは、SMILEーUP.が継続して運営していたファンクラブ事業も、別会社「FAMILY CLUB」に運営が引き継がれる。

「そして、昨年の『第74回NHK紅白歌合戦』は、世帯視聴率が夜7時20分からの第1部が29.0%、午後9時からの第2部が31.9%でしたが、どちらも過去最低だった。

 紅白としても視聴率は欲しい。いま最も人気も勢いもあって、国民的グループと言っても差し支えないSnow Man、そしてNumber_iの2組には、絶対に出てほしい、ということですよ」(前出のレコード会社関係者)

 紅白にSnow Manに出場してもらうには、NHKはSTARTO社に対して、これまで見合わせてきた新規のタレント出演オファーをかけることになる。ここで、Snow Manの存在が、STARTO社にとって「最強の交渉カード」になるという。

※画像はSnow Man / MENT RECORDINGの公式X『@SN__20200122』より 

「プロダクションが人気タレントをテレビ番組に出演させる際は、“バーター”を条件にすることがあります。賛否もあるやり方ですが、現実的には多く行なわれている交渉術で、それは紅白の舞台でもそうですね」(前同)

 バーターとは、他のタレントと抱き合わせ――“束”で出すことを意味する業界用語である。前出のレコード会社関係者は解説する。

「今年の紅白で言えば、“Snow Manを出させてもらえるなら――別のグループも一緒にどうですか”とNHKと交渉するわけです。その場合、セットで推されることになりそうなのはやはりSixTONES。Snow Manと同時デビューを果たした“スノスト”として有名ですし、人気は間違いなくあるグループですからね」

 NHKサイドもこういった話には慣れている。紅白サイドがSnow Man出演を願った場合、STARTO社サイドがSixTONESの起用を打診してくるのを想定したうえで、交渉にあたると考えられるという。

「STARTO社としては、SixTONES以外にもう1組くらい入れたいという思惑があってもおかしくない。同じく人気のあるなにわ男子も出場できないか、というふうな交渉戦になっていくでしょうね」(前同)