夏ドラマもそろそろ終了の時期に入ってきた。人気ドラマの続編など話題になった作品が多かったが、残念ながらHey! Say! JUMP・山田涼介(31)主演の『ビリオン×スクール』(フジテレビ系/金曜よる9時)と、飯沼愛(21)主演の『南くんが恋人!?』(テレビ朝日系/火曜よる9時)は、その低視聴率が話題になってしまった。何がいけなかったのかーー?
まず『ビリオン×スクール』は日本最大の財閥系企業「加賀美グループ」のCEOで、“億万長者=ビリオネア”の主人公・加賀美零(かがみれい/山田)が教師となり、さまざまな問題に直面しながらも生徒とともに成長していく学園コメディ。全話平均視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)が第10話現在で3.3%で、2%台に沈む回もあった。
昨年4月期『王様に捧ぐ薬指』(TBS系)に続いて、本作でも演じる“ひねくれたイケメン”が板についてきた山田。そして、加賀美の秘書でボディガードの芹沢役で、コミカルな演技はもちろん、アクションにも非凡な才能を見せた木南晴夏(39)。メイン2人のかけあいは息が合っていて、見ていて楽しかったが、それが仇になったかもしれない。
本作は学園モノなので、毎回、生徒がフィーチャーされるのだが、加賀美と芹沢が目立ちすぎて、生徒の存在感が希薄になってしまったのだ。いじめ、不登校など、シリアスなテーマを扱うシーンも多かったが、リアルな問題として感情移入しづらかった。教育用AIプログラムなど、加賀美と芹沢の現実離れしたパートとのバランスが悪かったのも残念だ。
また、“金曜9時”という枠も、視聴率的には厳しかった。夏休みということもあり、裏番組の『金曜ロードショー』(日本テレビ系/金曜よる9時)は、話題の大作『キングダム 運命の炎』の地上波初放送に、『となりのトトロ』に『天空の城ラピュタ』とジブリ作品の連発。この枠で高視聴率を望むのは、そもそも無理だったかもしれない。